今日は日本肥満学会での発表のため、札幌に来ている。演題タイトルは『自動計測式超音波皮脂厚計SM306による皮脂厚測定とBFI (Body Fat Index)』。
今、肥満学会ではメタボリック・シンドロームが花盛りである。このメタボリック・シンドロームとは再三ブログでも取り上げてきたが、わかりやすく言えば、糖尿病、高脂血症、高血圧などの生活習慣病などの諸悪の根源が内臓脂肪の蓄積にあるのでこれを何とかしようということで提唱された概念である。
しかし、それらの発表を見ていると内臓脂肪型肥満そのものの病態についてのことや、内臓脂肪蓄積の程度の診断法など、そうなってしまってからのことばかりを追っかける内容のものが多い。肥満者や糖尿病患者を対象にした研究が多くなるのは、やはり今の臨床家が保険診療という病気・疾患を持つ患者にしか目を向けることが出来ないフィールドにいることが影響しているのかもしれない。内臓脂肪を付けないようにする取り組みがアンチエイジング医療とも言える。従来の医学、医療のまさにニッチなところを我々は行っているのだという実感が持てた。気が付いているドクターもいるはずだが、現状手が出せない、手が出ないのかもしれない。
我々が今回発表したのは、女性がどこから太り始めるのか、「かるくヤバイ」が「かなりヤバイ」になる(=内臓脂肪も多い状態)のはどの辺りからなのかなどを検討することが出来る超音波検査機器についてであった。
元々は2年前に、私が『セルライトや部分太りを判定出来る超音波(エコー)検査の機械が出来ないものか』と、誠鋼社の松村社長に相談したことから、この研究はスタートした。正常健常女性735名のデータを集め検討するうちに、女性はふくらはぎ、太ももの裏側、背中から皮下脂肪が付いてくることや、お腹周りのぜい肉が気になりだす頃には内臓脂肪も付いてきている可能性が高いことなどがわかってきたのである。
「美」のQOLを判定するマシンを開発する過程で、「健康」のQOLをチェックすることも出来ることに気が付いたのだ。アンチエイジング(医療、医学、ビジネス、文化、普及など広い意味での)を作っていくというのはこういうことから始まっていくのかもしれない。日本のアンチエイジング確立のための小さな一歩、でもここから始まったのだと後から振り返れる記念すべき一歩になることを信じての学会発表が出来たと思う。
久々の札幌は快晴でとても快適!それだけでもゴキゲンな一日であった。
写真は、発表演題ポスターの前で。左から松村社長、私、谷澤先生。