ラ・ポルテ取材この9月から福岡は天神に新しくオープンするアンチエイジングサロンのお手伝いをさせていただくことになり、週末は1泊2日で福岡に行っていました。

東京あたりだと、ドクタープロデュースあるいはドクター自らがやっているメディカルスパやエステが結構あります。もちろん、ここ福岡でもドクター監修のサロンは決して初めてのものではありません。

ここ福岡まで来て、従来のスタンスと変わらない名ばかりのドクタープロデュースあるいは単なる顧問ドクターをやろうとは思っていません。

実は、東京でも大阪でもない、札幌でもない、福岡という都市の特性を見こんだ上で、アンチエイジング医療のインフラ作りを進めたいと考えています。

アンチエイジング医学(医療)のコンセプトである「optimal health」、「健康長寿」、「インナービューティー」、「PPK(ピンピンコロリ)」等は説明を受け理解してもらえるとほぼ万人が共感してくれます。特に「三浦雄一郎さんを75歳にして2回目のエベレスト登頂に成功させるのがアンチエイジング医学である」という説明には皆、感嘆し、「うん、やってみたいな」となるのです。

が、しかし、、、

実際に(内科的な)アンチエイジングクリニックに足を運び、アンチエイジングドックを受診し、その結果に基づいた内科的サポートを何ヶ月も続けて通うという人は本当に少ない!

興味は津々なんだけど、すぐに結果が出ない医療サービスにお金と時間を惜しまずに使うというような人は、東京でさえもそんなに多いものではありません。一方、すぐ結果の出る(費用対効果の良い)美容外科や美容皮膚科の「見た目のアンチエイジング」には女性が結構集まるのも事実です(女性が持つ「美のQOLを上げる」という強い明確な目的意識があってこそ成り立つ医療サービス)。

国民皆保険制度という制度が根付いているこの日本において、病院やクリニックで受ける内科的医療は1回あたり千円~数千円、検査などがあってもせいぜい1~2万円のものだという感覚があります。

アンチエイジングクリニックで、アンチエイジングドックを受け、その結果に見合った食事(サプリメント)・運動処方をだしてもらい、場合によっては、ホルモン剤、注射・点滴などを受ける…これで月2~3万円(多いと5万円以上)です。効果はすぐには現れないことが多い(プラセンタ注射などは効果を体感できやすく、比較的安価なのでリピーターが多いです)のでそのうちにフェードアウト。

これって、病初期の生活習慣病外来に似ています。糖尿病などは当初、自覚症状がほとんどないので、患者さんが外来に来ない(来なくなる)ことが非常に多い。それでも保険診療は安いので、「まぁ、一応行っとくか」という人がそこそこはいますが、たいていは自覚症状がひどくなってきてから気づく人が多いのが現実です。

明らかな病気・疾患があれば、対象者は「患者」として黙っていても病院・クリニックに受診しにやって来ます。保険医療を主体に行う医者がマーケッティングをあまり気にしなくても、まあ何とかやっていけるのはここに理由があります(もちろん、都心の激戦区に新規開業しようとするような際は綿密な戦略が求められますが…)。

内科的アンチエイジング医療の受診や継続もそれと同じことが言えます。内分泌代謝環境や自律神経系、固く歪んだ筋・骨格系体が変わっていくのには最短で数か月、長ければ1年~数年はかかるのです。このスピーディーな現代社会のニーズにマッチしたものとはいえませんね。

同じ医師免許を持った医師でもそれぞれの医療のフィールドで流れる時間の感覚は異なります。

外科医:数時間~数日
皮膚科医:数日~1か月
代謝・内分泌内科医:数か月~数年 

私は3番目の時間軸で勝負をしなければならないフィールドにいるのです。ここがポイントで、日常生活の改善・変革を求めることを主とすべき内科的アンチエイジング医療実践のためには、純粋な医療機関・施設という枠から飛び出さないといけないんだということにようやく気付いてきました。

これまで、医者の仕事場は99%病院、クリニックと相場が決まっていましたが、その枠をぶっ壊さないとこの日本においてのアンチエイジング医療の普及はおそらく遅遅として進まないでしょう。

アンチエイジング医療は何も医療機関で受けるだけのものではなく、普段の日常生活の中で無理なく(知らない間に)実践できるようなものである必要があるのです。例えば、レストラン、フィットネスクラブ、エステサロン、理美容院、コンビニ、ホテル(旅行)、携帯電話などなど…

これらのサービスや商品を受けたり買ったりすることで、毎日の生活がアンチエイジングなものになっていくように仕込むことを医者がやらないといけないわけです。

今回の出張では、そのサロン開業に合わせた記念講演会の打ち合わせや、福岡市内乃フレンチレストラン「旬Fujiwara」のオーナーシェフとアンチエイジングフレンチのメニュー作り、シニアライフマガジン「グランザ」や地元フリーペーパー「ラ・ポルテ」の取材、福岡市内No.1のヘアサロン「HEART・HEART bis.」とアンチエイジングヘアサロンについてのディスカッションなどを中心に盛り沢山の内容をこなしてきました(他にも携帯コンテンツを使った地元密着型のアンチエイジング情報発信や、新しい食材の開発についてなども地元の業者さんとディスカッションしました)。藤原シェフと打ち合わせアンチエイジングメニュー(旬フジワラ)

 

 

 

(「旬Fujuwara」での様子は、9月5日(土)のTVQ九州テレビ「九州けいざいNOW」にて放映予定)

すでに確立しているサービスの中にアンチエイジング医学を仕込んでいけば、それは差別化にもつながりますし、実際、体や肌に良く、月単位、年単位で体は変わっていくことでしょう。

すなわち、アンチエイジング医療の目指すべきもうひとつの方向はインフラ作りなのです。このアンチエイジングインフラ作りを福岡発で行うのには理由があります。この理由についてはまた追々…