
今日は六本木の泉ガーデンギャラリーで第11回総合美容研修会がありました。テーマはずばり「アンチエイジング」。私は抗加齢医学専門内科医として、『抗加齢医学における内科的アンチエイジングについて』という演題で講演しました。続いて京都の鈴木形成外科院長の鈴木晴恵先生が美容外科医の立場から『プチ整形の落とし穴』、松倉クリニック院長の松倉知之先生が『松倉クリニックの美容医療の歴史』というタイトルでお話されました。
最後に、3人での質疑応答、公開討論会があったのですが、「やはり内科医と形成外科医のアンチエイジング医療の考え方には結構、大きな隔たりがあるなぁ。」と実感しました。外科医と内科医では同じ医師であっても、時間の流れが違います。外科医はメスを入れて局所的にアプローチすることで、比較的短時間に臨床的な結果を出すことが可能ですが、内科、それも代謝・内分泌の世界は、非常にスローな時間の流れの中で人体のホメオスターシス(恒常性)を考えます。また、ホルモンや自律神経は全身的に相互関連しながら体をコントロールしています。
私がホルモン補充療法やキレーション治療に慎重になるのはこういう理由からです。私自身は、ホルモンや自律神経においては無理やりにでも若い状態を作り上げようとするアンチ・エイジングではなく、サクセスフル・エイジング、ウェル・エイジングといったスタンス(=出来るだけ機能低下や分泌低下のスピードをマイルドにしてあげる)ことを目指すべきなのではと考えています。形態学的に外見のアンチエイジングを作り上げることを日々のテーマとしている美容外科、美容皮膚科のドクターとはやはり土俵がちょっと違うのだと思います。
もちろん、美容医療はアンチエイジング医療のひとつの大きな柱であることは厳然たる事実です。これからはこういった温度差をなくしていくことも課題であるのかもしれません。
写真は公開討論会の壇上の様子。左から鈴木先生、松倉先生。