報道ステーション昨晩のテレビ朝日は古館一郎さんの「報道ステーション」に出演しました。メキシコ人男性のマヌエル・ウリべさん(41)をご存知ですか?そう、最近180kgの減量に成功し、5年ぶりに家の外に出たことで、ここのところのニュースでよく報じられている超肥満体の方です。

なんと、最高体重が560kg!子供の頃からの肥満で26歳の時に既に114kg だったそうです。1年間のゾーンダイエット(炭水化物:脂質:たんぱく質=4:3:3にするアメリカで生まれた食事療法)で180kg(ボブ・サップ1人分)減らしました。エマヌエルさん

番組内では、「ヒトはなぜこんなに太ることが出来るのか?」、「ここまで太ってしまう要因は何なのか?」ということについて解説しました。この写真を見ると、この体重は内臓脂肪よりも皮下脂肪の重量がメインであることがわかります。

太るということは脂肪組織が増すということです。脂肪組織は脂肪細胞が集まったものですから、脂肪細胞がたくさんあるか、ひとつの脂肪細胞のサイズが大きいか、その混合かのどれかのタイプで肥満は説明可能です。

胎生8~10ヶ月、乳児期、思春期の3つの時期に過栄養状態であると、脂肪細胞の数が増えることが知られています。彼の場合もこの時期に脂肪細胞の数が多くなっていたことがまず考えられます。大人になってからはまず、脂肪細胞のサイズが肥大化する太り方で太っていき、ある程度以上に肥大化するとその後は小さい脂肪細胞が新たに増殖し、またまた数が増えていく。この繰り返しでこの超肥満体は形成されたのでしょう。

アップ元々、飢餓と常に戦い、粗食で生きながらえてきた人類という生物は、その生物学的な形質として、「隙あらば脂肪を蓄える」というメカニズムを持っているといえます。そうでないと飢餓に打ち勝って種を残していくことが出来なかったからです。

肥満は遺伝的因子と環境的因子、双方の要因で規定されます。遺伝的な因子はかなり複雑です。太りやすい、痩せにくいといったことに関連する肥満関連遺伝子の存在がわかってきましたが、200近い遺伝子が関与しているだろうといわれています。そういった遺伝子の中で、特に病的に太らせる方に作用する強力な遺伝子があるとこのような超肥満体になるわけですね。

もうひとつ、このメキシコ人の方の場合は、時代と環境も大きく影響しているでしょう。元々、長い間閉ざされた地域(環境)で、かなりの粗食によって生きながらえてきた民族はそれこそ、「隙あらば脂肪をしっかり溜め込む」という形質があると考えられ、そこに急激に高脂肪・高カロリー食、オートマッチクな文明生活が入ってくると、多くの者が肥満となるこでしょう。現にメキシコでは今、国民の30%以上が肥満という問題を抱えているのです。アメリカナイズされた生活様式の流入がこの超肥満体を作ったともいえます。