だいぶ時間が空いてしまいましたが、5月に島根県と広島県へ味噌蔵巡りに行ってまいりました

 

 

 

まずは島根県の弥栄村にあるやさか共同農場さんへ伺いました。以前からやさか共同農場さんのお味噌の大ファンで10年味噌や有機やさか味噌などほとんどの味噌を食べたことがありますが、どれも本当に美味しいその秘訣が知りたくて今回の味噌蔵訪問となりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こんなに美味しい、有機の天然醸造のお味噌を作っているやさか共同農場さんですが、実は味噌を作り始めたのはまだ40年ほど前。しかも元々は農業も味噌作りも全くの素人の若者達が都会から移住して弥栄之郷共同体として全て一から始めたというから本当に驚きです。今まで全国の味噌蔵を巡ってきましたが、その中でもかなりユニークなお味噌屋さんである事は間違いないです。

 

 

 

 

 

 

 

初期からのメンバーである鍵野さんにお話を伺うことができました。

やさか共同農場は1972年にメンバー4人が都会から弥栄村に入村し、休耕田の開墾や廃屋の改築をし共同体として暮らし始めたところからスタートしています。当時、学生運動で社会のあり方に疑問を持ち始めた若者達が「コミューン(自由な生活共同体)」「社会変革」をキーワードに全国各地に「共同体」が生まれ、その後70年代後半には食品公害が深刻化する中で、「有機農業運動」が大きく広がり、都市生活者・消費者から農業を志す人たちが出てきました。そんな中、やさか共同農場のメンバーも有機無農薬野菜を売り始めるようになります。しかしその道のりは決して簡単なものではなく、特に農作物がなくなる冬にも安定した収入を得るため試行錯誤した結果、味噌作りに辿りついたそうです。その話は頂いた、「俺たちの屋号はキョードータイ」という本に詳しく書かれているのですが、まあー想像するだけでも大変で壮大なストーリーです。今回直接お会いしてお話を伺わなければ、まさかそんな裏話があるとは露にも思わなかったでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、肝心のお味噌の話ですが、現在は材料は有機大豆は島根県・青森県、有機米は島根県・滋賀県・北海道・東北・関東などの契約農家さんから、有機大麦は島根県・石川県産、塩は天海の塩を使っているそうです。原材料選びから加工流通まで有機農業基準で作られています。創業当時は廃材利用の建物で作っていたそうですが今では立派な工場で作られています。工場で作られた味噌は近くにある醸造庫で9ヶ月から15ヶ月、吟醸味噌は約2年、そしてさらに10年味噌も貯蔵されています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 工場の横にある農場ではお米や小松菜やホウレン草、原木シイタケなども栽培されています。この辺りは水も良質でそのおかげで美味しいお味噌に仕上がるそうです。

 

 

 

私のお気に入りはやさか味噌中辛口!甘すぎず、辛すぎず、コクも甘みもバランスが良くて味噌汁にしても料理に使っても美味しいです。万人受けするお味噌なのでお土産で持って行っても喜ばれます。

吟醸味噌は超熟タイプでコクがあるので、トマト系のスープに入れたり、やさか味噌と合わせてキノコ味噌に使ったりします。

やさか味噌さんのお味噌は他にも合わせ味噌などどの味噌を買っても間違いなしです。

10年味噌など珍しい味噌もあるので是非試してみてください!

 

    

今回見学させていただいて、やはり味噌には作っている方の安心安全で美味しいものを届けたいという思いがそのまま出ているなあと思いました。直接お話を伺いその美味しさの秘訣がよく分かりました。ありがとうございました。