アーユルヴェーダでは食べ物は非常に大事です。
私たちの身体は5大元素(パンチャマハブータ)空・風・火・水・土で出来ています。その材料となるのが食べ物です。

食べ物を消化力(アグニ)によって消化吸収・代謝し、いらないものは便や尿、汗などで排泄します。

現代人はこのアグニが低下しているため、食べ物が上手く消化吸収・代謝できず毒素(アーマ)として蓄積してしまいます。このアーマがあらゆる病気の原因となるのです。


私が専門としているリーキーガットや副腎疲労もまさにこの消化力の低下のために起こります。
ですから、現代人こそ、アーユルヴェーダから消化力、アグニを高める方法を学ぶべきだと考えています。


まずアグニを整える基本的なことは以下のことです。

① 空腹になってから食べる。
② 食事は腹7~8分目にする。
③ 消化をサポートする調理法や食材、スパイスなどを利用する。
④ 適切な速度で食事をする。
⑤ 座って食事に集中する。
⑥ 怒っているときや悲しいとき、興奮しているときは食事をしない。
⑦ 心地の良い環境で、美味しいと感じるものを食べる。
⑧ 6味をバランスよく食べる。


すごく当たり前のことですが、意外と出来ていないものです。


アーユルヴェーダ治療院でもこのことを意識した食事内容、食事法を教えてもらいました。


まず食事の量ですが、アグニ(消化力)が一番高い昼がメインの食事となります。

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お昼は南インドの定番の定食スタイルのミールスです。
このミールスにとてもバランスがよく6味(甘・酸・辛・塩・苦・渋)が含まれています。

まず毎日あるのが黄色いバターミルクとラッサムと呼ばれる酸味のあるスープ。





これはヨーグルトを水で薄めて、ターメリックやカレーリーフ、マスタードシードを熱したオイルを加えて作ります。

アーユルヴェーダでは発酵させたヨーグルトはあまり良くないのですが、このバターミルクは夏に乱れがちな食欲を整え、消化を改善し、体に水分を補給して体が熱くなりすぎるのを予防してくれるとされています。同じヨーグルトでも調理によって全く違う作用をすると考えるようです。この発想がアーユルヴェーダ的で西洋の栄養学とは異なります。



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あとは日本でいう味噌汁のような存在のラッサム。
こちらはトマトがベースです。本来はタマリンドを使うのですが、患者さん用はトマトのみというシンプルさ!しかもかなり薄味です。日によっては塩味が全くないときも(笑)オイルフリーのとてもあっさりとしたラッサムでした。



あとは日替わりで豆のカレーと野菜のカレー、ココナツ入りの野菜の炒め物がつきます。





南インドなのでココナツを結構使います。フレッシュなココナツ美味しいです。
使うオイルもココナツオイルでした。どれも薄味、オイルも極力少な目です。
同じキッチンでドクターやスタッフ用の食事も作っているのですが、そちらはとってもスパイシーで塩味もしっかり、オイルもしっかりでした(笑)


キッチンで作るのを毎日見せてもらったのですが、治療用の調理は本当にシンプル。


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まな板だってこんなに小さいんです!インドのお母さんはまな板を使わずに野菜を器用に切ります。日本でかなり料理上手でもインドにいったら、あなた、包丁もうまく使えないのね?なんて言われかねませんね(笑)




次は朝ごはんと夜ご飯、おやつを紹介します。