VOCE 2024年7月号
(2024年05月22日発売 P208~210掲載)
特集 『人気美容医療 やり続けていいのか問題』に慶田の取材・監修記事が掲載されました
正しく使えば若返り、間違ってつき合えば毒になる
美容医療は移り変わりが早く、新しい施術法がどんどん出てきますその中でも『ボトックス注射』や『ヒアルロン酸注入』治療は30年以上も続いている、効果が高く安心できる施術です。
ただ、それは正しく施術した場合に限られますが、患者さんにはそれが正しいかどうかはわかりませんですから、技術と経験面で信頼できるクリニックやドクターを見つけることが、美容医療と上手につき合う第一歩です
やる前に知っておこう美容医療Q&A
Q. 美容医療を受ける前にやるべきことは?
A. SNS以外の情報も調べて2~3軒カウンセリングに行く
SNSは都合のいい情報だけを載せているケースが目立ちます気になるクリニックを見つけたらHPや口コミを読み込み、その後2~3件はカウンセリングを受けに行き、比較して決めましょう
美容医療に緊急性はありません。クリニック選びは時間をかけて慎重に
Q. なぜクリニックによって価格が違う
A. CMや広告の破格値には裏がある
美容医療で使用する薬剤には原価があるので、安すぎる価格には何かしらの裏があります実際にクリニックに行ってみたら、広告でうたわれている値段にオプションが加算され、高額請求されるケースも少なくありません
数軒のクリニックを比較し、安すぎるところは避けましょう
Q. 美容医療は何歳から始めていいの?
A. 20代から始めていいものも、早すぎるものもある
多くの美容医療は20代から始めるとコラーゲンの生成力が高まり、老けづらくなるというメリットがただし、たるみが始まっていない20代前半では、ハイフなどの施術は効果が出にくいでしょう。20代に合った美容医療を選択して肌のベースを底上げしましょう
Q. 美容医療のやめどきはいつ?
A. 自分が納得するかどうか。うまくつき合えばずっとキレイが続く
その効果に納得してやめたいと思ったらやめどきですが、続けていくことでメリットも。適切な美容医療を続けていくと肌のベースが底上げされ、施術と施術の間隔が長くなります。肌に投資をするつもりで、美容医療を長く続けていくと、老けるスピードがゆっくりになり、キレイが続きます
Q. クリニックの選び方は?
A. ボトックスだけヒアルロン酸だけの"特化型クリニックは避けて
ボトックスだけヒアルロン酸だけなど、ひとつの医療に特化したクリニックが増えていますが、その施術法があなたの悩みに合っているとは限らないので避けたほうが無難です。悩みや希望を聞き、さまざまな施術法の中から最適な方法を丁寧に解説してくれるクリニックを選びましょう
美容医療を受ける前にやることチェックリスト
✔ クリニックのHPと担当医師の情報を読み込む
✔ 医師自身がカウンセリングしているかを確認
✔ 2~3軒カウンセリングに行く & 電話応対の誠実さも確認
✔ 安価すぎないか、他院と比較
✔ 施術後の医師のフォローアップの確認
美容医療指名率、リピート率No1
筋肉の緊張をゆるめて、シワ取りやたるみ毛穴を改善
『ボトックス注射』
筋肉の緊張をゆるめる作用を持つボツリヌストキシンを注射することで、局所的に筋肉の動きを抑制する治療です。表情ジワやたるみ毛穴の改善、食いしばりによるエラ張り、多汗やわきがの改善にも効果的です。
ココに注意
~打ちすぎで顔が歪む~
ボトックス注射は部位によって打ち方や量を細かく変える必要があり、ドクターの知識と技術が問われます。他院で受けたボトックス注射後、まぶたが下がったり、口元にゆがみが出て、人相が変わるケースも多く見てきました
(個人的に一番好きなイラストですいるいる~って感じですよね?)
ココに注意
~1万円を切るボトックスには要注意~
正規の薬剤の原価を考えると1万円を切るボトックス注射はありえません。最低2万5000円程度から、打つ場所や量に合わせて値段は上がるのが普通です。カウンセリングの時点でなぜその価格なのかについても説明があるはずです。なければ必ず自分から質問しましょう。
やり続けていいの?
ボトックス注射はだいたい3~4ヵ月前後で効果が弱まってきます。筋肉のクセがとれ、表情ジワが薄くなってくれば治療間隔が長くなり、最終的に筋肉のクセがなくなったら、打ち続ける必要はありません。
慶田は見た!
~結婚式直前に、顔が動かない~
結婚式の数週間前に韓国で全顔にボトックス注射をされ、顔が動かないと来院された方がいました。ボトックス修正用の薬剤を打つと少し改善しましたが、あきらかに誤った深さに注射された医療事故でした。大事なイベントの直前にアフターフォローができない海外で美容医療を受けるべきではありません
打つ整形として不動の人気を誇る
しぼんだパーツをふっくら整えて若返る
『ヒアルロン酸注入』
頬、額のボリュームを補充や、シワの改善など、汎用性が高い施術法です。注入した製剤が1年~1年半かけて分解されるときに、コラーゲン線維が増えるので、老化予防にもなります。
ココに注意
~打つ量が多いと顔が大きくなる可能性も~
ヒアルロン酸は1年半ほどで分解されるといわれますが、完全にはなくなりません。注入は1回1~3本が目安。打つ量が多いと顔が大きくなったり、パーツがふくらみすぎるケースもあります
ココに注意
~製剤名を確認しリスクを回避~
注入の失敗やアレルギー反応が出た場合、使用したヒアルロン酸の製剤に合った溶解剤を使って溶かす必要があります。何の製剤を使用したか確認しておけば、他の病院に行かざるをえないときにも安心です。
ココに注意
~1本5万円以下は要注意~
1本5万円がギリギリOKのラインです。それ以下は要注意です。
ヒアルロン酸を生理食塩水で薄めて使用していたり、安価なボディ用のヒアルロン酸を使用しているというケースも安すぎる価格には裏があります。
やり続けていいの?
ヒアルロン酸は注入後すぐにふっくらとして効果を実感できます。それだけでなく、長期的にはヒアルロン酸が周りの細胞を刺激してコラーゲンを増やし、肌の質を底上げします。ただし、再生力が高い20代は間隔をしっかり空けて3~5年に1回の注入でも十分老けづらくなります
小顔とハリアップで指名集中
筋膜に熱を届け、たるみを引き上げる
たるみの原因をつくる筋膜や顔面靭帯に、超音波をピンポイントで届けることで、ゆるんだコラーゲンが収縮し、たるみを引き上げる。長期的には新しいコラーゲン線維が生成され、継続的なリフトアップ効果も
ココに注意
~エステと医療では出力の強さが違う~
医療機関のハイフは高い出力で筋膜まで熱を届けることができ、医師や看護師が細かくデザインして照射します。一方、エステのハイフは出力が弱く、無資格者の照射による事故が多いので、消費者庁から注意喚起されています。
ココに注意
~20代前半は早い 35歳を目途に~
紫外線を浴びる生活が続いて肌の光老化が進み、たるみが始まっていれば30歳前後から。そうでなければ、たるみが本格的に気になりだす35歳を目途に始めると、効果が出やすいでしょう逆に20代前半にはまだ早い治療といえます。
やり続けていいの?
ハイフでリフトアップ効果を期待するなら、エステではなくクリニックに相談しましょう。たるみを本格的に実感する30代半ばくらいから、医療機関のハイフを年に1回ほど続けている人はコラーゲンの生成力が高く、40代になっても肌が若々しくハリ感が違います。
慶田は見た!
~「頬がこけた」は医師の説明不足~
痩せ型さんはハイフで皮膚が引き上がり、もともとのこけが目立って見える場合もハイフよりヒアルロン酸注入を先にした方がよいかもしれません
自分の顔にハイフが合っているか事前に確認を。
即効性の高いリフトアップ
細い糸を挿入して顔を引き上げる
『糸リフト』
細い糸を皮下組織に挿入して顔を引き上げるリフト。切らないフェイスリフトとも呼ばれています。頬のたるみやほうれい線など、リフトアップに即効性を求める人に人気です
ココに注意
~糸リフトの前にすべき医療がある~
挿入した糸が表情筋の動きを妨げて表情が不自然になったり、口を開けづらくなったり、引っ張りすぎてへこみが出たり、糸リフトはリスクが高い治療です。リフトアップが目的なら、もっと低リスクの方法がないか医師に相談してみましょう。
やり続けていいの?
やせ型さんは糸が顔の表面に響きやすいことが多いですし、30代以下の若い世代のほうが糸によるアレルギー反応が起こりやすく、糸のまわりの細胞が線維化して時間がたってから皮膚が硬くなるなどの問題が起きることも若い人ほどリスクが高いのでおすすめしません。
慶田は見た!
~猫のひげのように糸が透けていた~
飲食店で隣に座った女性の頬に、青い糸が3本透けていたのを見かけました。机の角に頬を当てて寝ていたの?というほどへこんでいたり、鼻から糸が出てきた、などもよくある失敗例。顔の一部を強く引っぱるので、顔のどこかに無理が生じて、失敗したと実感する患者さんが多いようです。
中央で大天使ミカエル風に両手を広げているのは、慶田のイメージでイラストレーターさんが描いてくださいました
適切な美容医療を受けると短期的に悩みを解決しつつ、続けていくことで老化スピードを緩やかにすることができます
ただし、慎重にカウンセリングを受け、焦って施術を受けないことが重要です
正しいクリニック選びが、失敗を避ける最良の方法です
是非、ご参考になさってください
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6月25日発売 慶田の新著
『女医が教える、やってはいけない美容法33』
スキンケアやメイクアップに関する基本知識がたっぷり366日分(うるう年含む)
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■銀座 ケイスキンクリニック
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