皮膚科専門医が学ぶべき疾患数は、全診療科の中でも群を抜いて多く、
湿疹・皮膚炎、皮膚腫瘍、膠原病、爪や髪、細菌・真菌・ウイルスなどの感染症、発汗異常症・・・
と多岐にわたります。
意外と知られていないのが、性感染症(STD)も皮膚科が診るということ。
いわゆる、梅毒、尖圭コンジローマ、性器ヘルペス、クラミジア感染症など性行為によって移る疾患です。
その臨床写真は一言でいうと
「超気持ち悪い」&「性器の拡大写真」
なので
「決して人前で開くべからず」
と入局時に指導されます。
教科書を開きながら弁当を食べられるようになれば一人前とも言われるのが皮膚科医なのです。
2023年に「不同意性交等罪」が改正され、「性行為の同意を取る事」が今後の必須事項になりました。
かつて、#me too運動が盛り上がったとき、カトリーヌド・ヌーブ氏が
「性的暴行は犯罪だが、誰かを誘惑することは犯罪ではない、私たち女性は、性暴力と誘惑を区別できるほど賢明である」
と発信して物議を醸しました。
つまり、うるさく言いすぎるせいで、
「男性が怖くて誘えない」➡「恋愛やセックスの機会損失」
になるリスクを世に問うたのでした。
これには同意する意見も多かったものの結局、不謹慎だとの世論に負ける形でドヌーブ氏は謝罪。
「アムールよりセーフティとコンプライアンス」
という結論に達したように思われます。
さて、お酒の力を借りてのなし崩し的ベッドインは世に腐るほどあります
男性から
「酔わずに誘える気がしない、正直一度もない。」
「何となくそんな雰囲気になってって大事じゃない?」
と聞くことも多いです。
でもね、これからは、ダメダメダメなんです。
「うぬといたしたいと思うがいかがか?」
「それは奇遇なり。われもいたしたいと思うておった。」
という言質を取る必要があるのですよ。
これが令和の新常識です
場合によりアプリなどでサインをするという流れが必須になるのかもしれません。
アプリで同意とか、サインするとか、不貞行為の確証になるので、そっち方面もさらに難儀になりそうですね
いかにも世知辛く、盛り上がりも一気に覚めそうではございますが、性感染症リスクという観点では朗報かもしれません
不特定多数との性行為が性感染症を蔓延させることは間違いないわけですからね。
昨今の報道からも分かるように、「同意を得ないセックスは社会的に抹殺される可能性」もはらんでおり、
男性は「誤解を招くような状況に自身の身を置かない」という注意義務が出てくるわけです
二人っきりでお酒を飲む際は酒量を控える
密室に二人きりで入らない
などなど冤罪を生まないための自己防衛も欠かせません。
特にお酒は要注意です
前頭葉を抑制し、本能のままに突っ走らせる最大の装置ですからね
わたくしのような下戸の場合
「酔っちゃった~うふっ」
は通らないので、おいたするとしても冴えたクリアな決断と強い意志でもっていたします
とはいえ、皮膚科専門医としての数々の知識が感染症の臨床写真とともにフラッシュバックし、
「検査データを確認していない患者は性感染症陽性として扱え」
という医師の理性が邪魔をしてきて、今日もわたくしの貞操は守られるといわけです
「手放してしまいたい、この両手いっぱいの知識。どんなに軽いと感じられるだろうか。」by椎名林檎
この歌詞に激しく頷くのが大人なのかもしれません
「若気の至り」も許されぬ時代の若者が不憫だと嘆くだけでは足りません
「不同意性交罪が怖くて誘えない」➡「恋愛やセックスの機会損失」➡「出生率低下」
とならぬよう、男性が安心して誘えるような仕組みづくり、女性から誘うという新たなムーブメントまでつなげていく必要があるのかもしれませんね。
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