今回は、ヒアルロン酸注入の4年後に出現した遅延型異物肉芽腫の修正事例をご紹介いたします
4年前に韓国で眉間~額・鼻背・目の下にヒアルロン酸製剤(アラガン社、ジュビダームビスタボルベラ)の注入歴あり、当院受診の1か月半前に麦粒腫(ものもらい)を患った後から注入部位に一致した痛み(圧痛・自発痛)と腫れ・しこりが出現…
他院2か所でヒアルロン酸溶解と抗生剤や消炎鎮痛剤を処方されるも効果なく、当院を受診されました.
「ヒアルロニダーゼ」と「ケナコルト」の混合によるしこり修正注射と「プレドニン」・「トラニラスト」の内服処方を行いました
施術前
施術後
施術前
施術後
(※治療前の写真で内出血が見られるのは他院での溶解注射の痕です。)
肉眼で見たほうが、異物肉芽腫のガチガチの感じがよく分かります。
遅延型異物肉芽腫はヒアルロン酸注入の半年後以降に生じることが多く、風邪などの感染症が誘因になることもありますが、これといった原因がないことがほとんどです
今回の症例は4年経過後に出現しており、関連性を疑う方もいらっしゃるかもしれませんが、注入部に一致した典型的な症状であり、架橋構造の特性上、製剤持続期間が長いジュビダームビスタ製剤ならではの事例かもしれません。
残存している可能性があるヒアルロン酸を全て溶解しつつ、異物反応で生じた硬いしこり部分にはケナコルトの局注も適切な濃度で行い、リタッチ1回を経て、2ヶ月後には完全に痛みやしこりは改善しました
異物肉芽腫は製剤により、好発率が大きく異なります。
今回の事例でも、ジュビダームビスタシリーズ製剤が使用されており、当院の経験上ハイリスク製剤の代表格です。
ヒアルロン酸溶解注射だけでは不十分で、ステロイドの局注と内服が必要となります
ステロイドの局注も内服も一定のリスクを伴いますが、遅延型異物肉芽腫では必須、特にステロイド内服は短期でなく、2ヶ月程度内服継続しないとぶり返します。この管理は非常に気を遣いますが、泣きながら受診される患者様をお救いできればという気持ちで対応させて頂いております。
『ヒアルロン酸注入(他院の修正)』
・ヒアルロン酸注入の溶解1部位(コイン大までの大きさ)ヒレネックス ¥75,000
・しこり修正注射 1ヶ所(コイン大までの大きさ) ¥60,000
(※ケナコルト・ヒアルロニダーゼ・脂肪溶解注射などを症状に合わせて最適な割合で混合作成)
※上記は税抜き価格となっております。
初版第3刷 重版決定
6月25日発売 慶田の新著
『女医が教える、やってはいけない美容法33』
スキンケアやメイクアップに関する基本知識がたっぷり366日分(うるう年含む)
♪重版しました♪
■銀座 ケイスキンクリニック
(美容皮膚科)
東京都中央区銀座1-3-3 G-1ビル5F・6F
お電話でのご相談・お問い合わせTEL0120-282-764
銀座ケイスキンクリニック公式Facebookページ
http://www.facebook.com/ks.skinclinic
メール相談soudan@ks-skin.com