WEB 『DIAMOND online』
（2020年3月4日更新）
特集 流行の「手のひら洗い」はおじさんのミドル脂臭に太刀打ちできるかに慶田の監修記事が掲載されました
最近、泡状のボディソープがドラッグストアの棚に並ぶようになりました。敏感肌に限らず、‟泡での手のひら洗いが肌に優しい”と多くのメーカーが推奨しています。
手のひら洗いは本当に肌に優しいの？
わたしたちの体を覆っている皮膚には、肌内部の水分蒸発を防ぎ、外部からの刺激をはねのけるバリア機能が備わっています
この大切な役割を担っているのが、表皮の一番外側で外界と接する「角層」です。
実は、この「角層」は、わずか0.02㎜とラップ程度の厚さしかありません。「落としすぎ」「こすりずぎ」などの刺激で簡単に剥がれてしまうのです
すると、角層に隙間が生じて潤い成分が流れ出てしまい、刺激物が侵入して肌の乾燥が加速し痒みなどの原因になります
バリア機能を低下させる要因はさまざまですが、日々の洗浄方法が肌トラブルを招くこともあるのです
ですから、角層のバリア機能を保つためにも、こすりすぎない手のひら洗いは理にかなっているといえるでしょう
ただし、体の部分によって洗い方に緩急をつける必要はあります
背中、頭部、首の後ろ、耳の後ろ、脇、胸・乳輪、外性器周りなどの「脂漏部位」は丁寧に洗いましょう
背中のように皮脂量が多く手の届きにくい部位は、柔らかめのボディータオルを使用し、たくさん泡をつけて優しくなでるように洗いましょう
また、頭を洗う際には、頭頂部だけでなく後頭部～耳の後ろを指の腹で軽くもむように、ある程度時間をかけて洗った方がいいですね
脇など体毛の濃い部分は、サッとなでるだけだと毛の根元に脂が残ってにおいの原因になるため、毛をもみ込んで全体になじませましょう
頭や体に直接洗浄剤をつけて毛で泡立てる人もいますが、それだと界面活性剤の刺激を強く受けてしまいます。洗浄剤は必ずネットなどでしっかり泡立ててから乗せるようにしてください
逆に前腕、脚（特にすね）、腹、腰周りなど皮脂量が少ない部位は、泡を乗せて滑らせるだけで十分です。
体を洗う前に湯船で角層をふやかそう
公衆浴場では全身を洗ってから湯船に入るのがマナーですが、家で入浴する場合、「湯船に浸かる→全身を洗う」という手順をオススメします
全身をこすり洗いしてバリア物質がなくなった状態で湯船に浸かると、脂がどんどん抜けて肌が乾燥しやすくなります
汚れやすい足や外性器周りをササッと泡で洗い、全身をお湯で丁寧に流したら、先に湯船に浸かった方が肌には優しいです。湯船に浸かることで角層が水を吸ってふやけ、角層の生まれ変わり（ターンオーバー）が促されます。脂汚れも溶けて落としやすくなるため、本格洗いは湯船に浸かった後にするのがおすすめです
こすり洗いは週1〜2回にとどめるのが吉
ゴシゴシ洗いに慣れ親しんでいると、手のひら洗いでは物足りなく感じることもあるかもしれません背中など、皮脂の出やすい部位については、角層のターンオーバーを促す意味でも週に1～2回程度であれば軽くこするのもアリでしょう
また、七輪焼き肉店やもつ焼き店など、煙モクモク・油ギトギト
の環境にいると、油の粒子が飛んで髪の毛や肌に付着するので、そういう環境にいた日は、軽くこすって汚れを落とした方がいいかもしれませんね
お湯に浸かるだけの入浴法を実践しているという、タレントのタモリさん
著名人の健康法を知るとまねしたくなりますが、タモリさんがお湯だけでも問題ないのは、おそらく皮脂量が少ないからでしょう。
皮脂が酸化すると、角層を刺激して肌のキメを乱します
ほこりや汗ならお湯だけでもある程度は落ちますが、一般的な肌質であれば、皮脂汚れは洗浄剤を使って洗い流しましょうこすらない部位とこする部位の区別、また、こする頻度を調整しながら、清潔を保っていただきたいですね
バリア機能を低下を防ぎ、清潔と美肌を保つには
優しい洗浄剤を選ぶ
よ～～～～く泡立てる
優しく撫でるように洗う
すすぎはぬるめのお湯でしっかりと
を意識しましょう
なお、皮脂分泌量の多い、男性や若年者（男女）は2週間に1度程度、優しく擦り洗いしてください。
巷で流行るスキンケアがあなたにもピッタリとは限りません。
ぜひ、ご参考になさってくださねい
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