「痩せたい!!」という女心を逆手にとって、様々な怪しい商品が出回っています。ビフォーアフター写真も加工の匂いがプンプン漂っていたり、、、

 

消費者庁は、本日11/29、痩身効果を標ぼうするダイエットパッチ(以下「ダイエット

パッチ」といいます。)の販売事業者3社(以下「3社」といいます。)に対し、3

社が供給するダイエットパッチに係る表示について、それぞれ、景品表示法に違反

する行為(同法第5条第1号(優良誤認)又は同条第2号(有利誤認)に該当)が

認められたことから、同法第7条第1項の規定に基づき、措置命令を行いました

 

対象商品は株式会社シンビジャパンの「ロロチェンジ」、株式会社ユニッシュの「カーブシート」、株式会社tattvaの「スリムデトパッチ」と称する商品です。美容クリニックで用いている薬剤の作用で貼るだけで、激やせ&セルライト改善という効能を謳っていました。

 

この措置に先立ち、慶田は、消費者庁の担当官から、脂肪溶解注射を正しく行っている専門医としての意見を求められましたので、医学的な見解をお伝えしました。

 

脂肪溶解注射に含まれる「ホスファチジルコリン」や「デオキシコール酸ナトリウム」は有効濃度で有効量を確実に皮下脂肪に注射しなければ脂肪を減らす効果は見込めません。当院では、1ブロック(手のひら大)当たりに、皮下脂肪の厚みに合わせて、十分量を注射し、26回繰り返すことで痩身効果を出しています。テープ剤に塗ることのできる微量では効果が見込めません。そもそも皮膚のバリアを透過して皮下脂肪まで作用させることは至難の業です。

 

喘息の貼付剤やニトログリセリン貼付剤は効くじゃないか!ってお思いの方もいらっしゃると思います。気管支拡張剤や血管拡張剤のように、ごく微量で薬効を発揮する薬剤の場合は貼り薬も有効です。患者さんが簡単に治療できますからね。もちろん病院では点滴静注するのですが、ニトログリセリンでは急性心不全でも5㎍/分の投与と超微量。

 

当院で使用している『ミケランジェロ』という薬液の場合、ホスファチジルコリンは5%の濃度です。1ブロック当たり10ml注入するので0.5g=500000㎍(1㎍=0.001mg=0.000001g)が入ることになります。貼付剤で有効な㎍(マイクログラム)単位と比較すれば、脂肪溶解(痩身)やセルライト改善を貼付剤で叶えるなんて無理そうだなぁ・・・とお分かりいただけると思います。デオキシコール酸ナトリウムも同様の濃度です。

 

今回のように、消費者を故意に惑わす商品や販売会社が厳しく取り締まられるのは喜ばしい事です。商品を購入前には、一度立ち止まって、医学的に意味があるのか、薬理学的に根拠があるのかを考えてみてくださいね。消費者も賢くならないと、このような商品は名称を変えて次々出てきますので。

 

【脂肪溶解注射(脂肪溶解メソセラピー)】

脂肪溶解メソセラピー(脂肪溶解注射)の主成分は、ホスファチジルコリンとデオキシコール酸Na(ナトリウム)です。ホスファチジルコリンは体内に含まれるリン脂質の一種で、血中脂肪降下剤(高脂血症の薬)として知られています。

ホスファチジルコリンは、脂肪細胞膜を化学的に溶かし不安定な状態にさせ、脂肪細胞に蓄えられたトリグリセリド(脂質)を遊離脂肪酸とグリセロールに分解します。遊離脂肪酸とグリセロールは水溶性のため、リンパや血液に入り、体外へ排泄されます。

このようにして脂肪細胞の抱える脂肪量を減らし、一つ一つの大きさを縮小させ、脂肪細胞膜をこわして脂肪細胞数を減らすことで過剰な皮下脂肪を減らす治療法です。

デオキシコール酸Naは脂肪細胞膜を溶解させる効果が高いため、脂肪細胞の数自体も減らし、セルライトも改善します。1回毎に減らしたい部分のみ確実に細く出来るうえ、リバウンドもしにくい点が好まれています。3日間ほど軽く腫れ、筋肉痛の様な鈍い痛みや熱感が出ることがありますが、運動など日常生活の制限はほとんど無く、短時間でボディデザインを叶えます。

詳しくはお問い合わせ下さい。

 

 

 

 

 

 

 

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