子育てしていると、ありますよね!子どものケガで大慌てなんてことショック

育児は、下の世話(オムツ&うんち)と上の世話(食事)と安全確保に明け暮れます。

可愛いお子さんが、よりによって顔にケガをしてしまったら相当慌ててしまうと思いますひらめき電球

ケガをするタイミングが、日中なら病院選択も容易ですが、不幸は旅先や夜間に勃発すると相場が決まっています。

元気爆発の男児はハイリスクですが、打ち所悪ければ女児だって簡単に骨が見えるほどの深い切創ができることはあります。

 

なぜこんな話題を出すかと申しますと、先日友人の形成外科医がこんなエピソードをFacebookの友人限定で投稿されたからです。

子どもの顔の傷をステイプラー(医療用ホッチキス)で縫合した外科医に電話連絡し、

「道具が無いので即刻外して欲しい、その後のケアは形成外科医が診ます。」

とお願いしたところ、

「外科医的に1週間以内に外せない。もしどうしても外せというなら、100%責任取れよ」

とお怒りなので

「1000%責任取ります!」

と言ったらブチッと電話を切られたと。。。。

この投稿を受けて、こんなこともあった、自分もこんな経験をした、こんな酷い事例があった

とここでは紹介できないようなエピソードがたくさんコメントされました。

顔の傷をステイプラーで縫合するのがどれだけの衝撃かは、「医療用ステイプラー 傷」などで検索すると分かります。画像無断使用は出来ないので、ここでは言葉だけにさせて頂きます。

 

全員とは申しませんが、外科医あるあるです。

(乳腺外科や小児外科の先生方は、形成外科医顔負けの丁寧さでボディの傷も縫合して下さいます。また、最近は患者さまのQOLを考え、最後の皮膚縫合を丁寧にする外科医も増えつつあります。)

救命救急科は本当に大変なんです。

想像してみてください。

隣のベットには心筋梗塞の患者さんがいて、ついさっきまで頭部外傷で脳に穴が空いている患者さんと格闘し、もうすぐ腹部から腸が出ちゃってる患者さんが救急搬送されてくるような過酷な状況で、不眠不休のなか気力だけを振り絞って働いている先生方を。

忙しい合間に、ちょっとした顔の傷を見たら、「命に別状無し」と認定して、ちゃちゃっと縫合したくなるお気持ちも分かります。

そして、皮膚科医や形成外科医が使用する極細の糸は、非常に高価ですし、使用期限もあるので、救急外来には置いていない場合も多いのです。

丁寧に高い縫合糸で処置をしても、保険点数は変わらないので場合により赤字になります。

混合診療を解禁して、オプションで高価な医療材料を使いたい場合は使えるようにするなど法的な改善も必要だと思います。

 

ちなみに、なぜステイプラーを外す道具を形成外科医が持っていないかって?

そんな野蛮な道具で縫合することは、皮膚科医や形成外科医は皆無だからです。

ステイプラーは、縫合技術が未熟でも短時間で傷を寄せて閉じることが出来ます。

20cmくらいの傷を、たった1分で縫合する様を麻酔科研修時代の半年間で何度も見ました。

 

私自身、腹部や頭部はまだ許せますが、顔の傷には絶対ご勘弁です。

なぜなら、ホッチキスの穴の痕が、一生残ってしまうからです。

 

1週間以内というか出来るだけ早く外して、綺麗に縫合し直したい・・・

これが皮膚科医・形成外科医の常識です。

 

そこで、受診する側の心構えやこのような不幸な事例を避けるためのアドバイスをさせて頂きますね。

 

宝石緑日中にケガをした場合⇒形成外科専門医を受診、皮膚科医も対応可能ですがいずれにしても電話確認必須。

宝石緑夜間や時間外にケガした場合⇒形成外科専門医が夜間も対応する大学病院を受診(電話確認必須)

ただし、突然『指の切断』や『重症熱傷』の患者さんが救急外来に搬送されたら、対応頂けなくなるのでご了承下さい。命優先ですので。

宝石緑夜間や時間外、地域的に形成外科医も皮膚科医もいない救急外来に受診するしか無い場合

これが問題です。

でも、黙ってステイプラーで縫合しようとするのを見ているわけには参りません。

このような場合も3パターンの状況に分類し、冷静に対処しましょう!

宝石白傷はパカッと開いているが汚染されておらず、出血も軽度⇒自宅で洗浄し、清潔なガーゼで圧迫。傷をテープで寄せるように固定して翌日形成外科専門医を受診。

宝石白傷がぐちゃぐちゃで、土やら砂やらホコリやらに汚染されている⇒救急外来受診。洗浄後軟膏処置と消炎剤、抗生剤投薬だけしてもらって翌日形成外科専門医を受診。

宝石白傷を圧迫しても出血が止まらない、相当深い⇒救急外来受診。先生に丁寧に縫って下さいと懇願。この時に、想像力を働かせて先生の限界状態の忙しさを思いやり、労いながらお願いしてみて下さいね。それでもステイプラーを出してきたら・・・残念ですが翌日形成外科を受診して全部やり直してもらってください。

 

医師のトリセツを心の片隅に置きつつ、賢くご対処頂き、起きてしまった不幸な事故の傷痕ができる限り残らないことを願っています。

 

 



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「365日のスキンケア」(池田書店)著者:慶田朋子

♪重版しました♪

 

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