クロワッサン 2018年5月10日号
(4月25日発売 掲載P34)
同僚とすれ違いざまに疲れたにおいがしたり
家の洗面所や車の中で、今までなかった夫の体臭が気になり始めたり
これらのにおいは、汗によるにおいとは違う肉体的な衰えによるにおい
すなわち加齢臭です
なんとも嫌な響きの言葉ですね
もしかしたらあなた自身も加齢臭を発しているかも !?
加齢臭は、皮脂の中にあるパルミトレイン酸が酸化することで発生する「2-ノネナール」という物質のにおい。
くたびれた枯れ草のような、独特のにおいがします。
体の抗酸化能力や、酸化物を代謝する解毒能力が落ちてくることが原因です
加齢臭は老化の副産物今まで体臭が気にならなかった人でも、 60 歳ぐらいからはほぼ確実に出てきます。
しかしその加齢臭よりも早い段階で「ミドル脂臭」というものが発生する可能性があることをご存じですか?
「ミドル脂臭」は、「ジアセチル」という物質が原因になって発生する古い油のような不快な臭いで、加齢臭の原因であるノネナールよりも臭いが強く、空気中に拡散しやすいという特徴があります。
30~40代の中年男性で多く感じられますが、女性からも発生します。
ジアセチルは、表皮ブドウ球菌などの皮膚常在菌が汗に含まれる疲労物質の乳酸を取り込み代謝・分解されることで発生します。
「ジアセチル」自体でも独特なニオイを放ちますが、さらに皮脂に含まれる「中鎖脂肪酸」と混ざることでミドル脂臭の不快なニオイが発生します。
においのピークは 40 代前半。その後は弱まっていきます
加齢臭、ミドル脂臭、ともに共通する原因は、皮脂に含まれる脂肪酸と、年齢とともに増える活性酸素です
皮脂に含まれる脂肪酸や活性酸素を増やさない食生活や生活習慣を心がけることが対策のポイントです
また、働きざかりで忙しい40 代は、 疲労臭のリスクもあります
ストレスや疲労の蓄積が原因で、汗や息からアンモニア臭が混ざったにおいが発せられることがあります。
夏に向かって気温や湿度が上がるとにおいが生まれやすい傾向に
自分がにおっているかどうかを自分で判断するのは、正直難しいことです
小さなお子さんがいる人はさりげなく聞いてみてはいかがでしょうか
子どもは正直なので、においの判定に信憑性があります。
自分がにおっているかの確証が得られないなら、ケアするに越したことはありません。
どのにおいの対策も、皮膚の常在菌バランスをよい状態にすることが大切です
ごく基本的ながら、毎日きちんと洗い、きちんと保湿することがお手入れの柱となります。
特に皮脂を多く分泌する脂漏部位は正しく洗うことが必要です
子どもは、風邪をひいた時など1〜2日お風呂に入らなくても大してにおいませんが、大人は不快なにおいがしますよね
加齢とともに自浄作用が落ちてしまうので、年を重ねるほど意識して清潔感を保たないといけません
におい対策のお手入れはそのまま、 清潔感を保つことにつながりますまだにおいを感じていない人も心がけたい美容の基本といえるでしょう
におい対策のお手入れ
【洗う】
その日の汚れはその日にきちんと落とす!
乾燥しやすい腕や脚は、泡で撫でるように洗います 皮脂分泌が多い、首、胸元、ワキ、背中の中央ラインなどは、綿のタオルに泡をつけ、優しくこすり洗いをしましょう。
足のにおいが気になる人は、爪の汚れがにおいを放っているケースがあります。ネイルブラシで爪の間まできれいにすると、においもかなり軽減されるはずです
そして、シャンプーの際は、耳の後ろや後頭部の首の付け根付近を、指でジグザグを描きながら洗い、よく洗い流します。加齢臭やミドル脂臭の防止になります。
【潤す】
保湿して肌の常在菌バランスを整える。
汚れを落とした後は正しく保湿しましょう
腕や脚だけでなく、皮脂分泌が多い胸元や首、背中もきちんと塗ります。そうすることで肌のバリアや常在菌バランスが整い、自浄作用が高い健やかな肌が育まれます
春夏は、乳液タイプやミルクジェルなど、みずみずしく伸びるアイテムがストレスフリーで、またポンプ型が手に取りやくおすすめです
ボディケアは顔よりも効果を実感しやすいのが特徴で、2週間ほど続けるだけでも肌の状態がよくなるのを感じるはずです。また、においも発生しにくくなります。
【消す】
レスキューアイテムでにおいのもとを応急処置。
これから気温や湿度が上がるとにおいに敏感になります湿気が高いとにおいを発する物質が生まれやすく、飛散しやすいためです。
洗浄&保湿のケアをしていてもにおいが気になるときは、消臭アイテムに頼るのも手です
デオドラントスプレーのほか、ウェットシートやおしぼりでベタつきを拭き取るだけでもリフレッシュします
香水を使うのも一案ですが、ムスクの香りには要注意 加齢臭の原因物質であるノネナールを逆に強めてしまうようです。
【疲労臭】
お疲れぎみの 40 代は要注意のにおい。
口の中や汗ばむワキから、つんとアンモニア臭を感じる人は、40代に多い疲労臭の可能性もあります。
ストレスや疲労がたまって肝臓の解毒機能が落ち、血液中のアンモニア量が増えることが原因です
対策はとにかく、ストレスを減らすことです。睡眠時間を確保してアルコールや暴飲暴食を控え、ゆっくりお風呂に浸かるなどして体を休ませましょう。
肝機能を健康な状態にできれば、においも改善します
ストレスケアのアロマやハーブを取り入れるのもおすすめです。特にローズマリーは肝機能を整える働きが知られます。料理やアロマテラピーに使ってみましょう
是非、ご参考になさってください
スキンケアやメイクアップに関する基本知識がたっぷり366日分(うるう年含む)もうすぐ
♪重版しました♪
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