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 安芸の宮島にある、弥山(みせん)は、標高535mだそうです。船で島に入って、そこから歩くと、正味で535m近く登ることになり、まあまあの山登りです。

 と、いうことを、あとで気づきました。ふだん山歩きをしないもので、ペース配分というものを考えることもなく、すたすた歩いていると、じきに息が上がってきました。暑い日だったので、すぐに汗だくです。筋トレとかはしていましたが、まるで別物であることを思い知りました。『1歩ずつ、ゆっくり登れ。山は逃げないから、そのうち頂上につく。』と、愛染明王にたしなめられたような氣がして、ごくゆっくりと行くことにしました。

 周りを見回すと、大雨で崩れたところがあったり。それどころか、登山道自体が崩れ落ちて断絶し、経路が変更されていたり。そういった安全面の手入れをされている方には頭が下がるな、などと思いながら、ぼつぼつ歩いていました。

 ロープウェイ駅からの道とは反対側から弥山本堂に着いてみると、亞実さんたちはまだでした。少し待って合流したのですが、亞実さんは、前日夜から急に足が痛くなり、歩くのもままならず。不動明王にお願いしたり、手を尽くしたものの痛みは引かず。それでも、霊火堂に呼ばれているし、どうしても行かないと、と、がんばったそうです。ロープウェイ駅からも、まどかさんの手を借りて、本当に少しずつ、文字通り歯を食いしばって。もともとそんな頑張り屋でもなく、暑いのは苦手で、動きたくない、秋になって涼しくなってから、というポリシーにも関わらず。

 あとで聞いたところでは、この足の痛みは、悪霊などのせいではなく、亞実さんの覚悟を見るために、神々が与えた試練だったそうです。目にみえないエネルギーによって、そうした強い痛みを起こすことがある、ということの1例ですね。足をくじいたりしたわけでもなく、ふと急に痛み出した、とのことでした。

 霊火堂でのご神事を済ませて、玉をいただきました。そこから下山するわけですが、私は指定された経路で、歩いて下りないといけません。なので一旦分かれて、亞実さんたちはロープウェイで下りてもらって、私が下りた先にある、大元(おおもと)神社で再度待ち合わせすることにしました。

 ここでもひと騒動あったのですが、長くなってきたのでこの辺で。
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