オレはさ


いわゆる医者としての王道を歩いて来なかった


若くして大学から海外留学をしたところまでは良かったんだけど


30歳そこそこで家業の病院立て直しのために


田舎の病院に帰らなくてはいけなくなり


そこで医者として最も大事な30代を過ごした


学会や医療のメインストリームとしては


田舎の聞いた事ない病院にいる


若い医者の話なんて


そりゃ耳を傾けないわな


ただそれでも


諦めずに


手術をやり


研究を続け


英語論文を書き続けた事で


だんだん顔も売れて来て


学会での発言にも耳を傾けて貰えるようになった


そして今回


学会の派遣で旅費を出してもらった上で


アメリカに海外研修に来ている


今回は


日本の学会代表という立場なので


自分たちのプレゼンテーションのために


最初からアメリカ人医師たちが


早朝から集まって話を聞いてくれる


まさに


テーブルに着いてくれたんだよね


ほんの些細な事なんだけど


いままで日本ですら自分の話に


テーブルに着いてもらえなかったオレとしては


こんな幸せはないなぁと


しみじみ思うよ


まだまだ


歩みを止めないでいかないとだね