高齢者が
その命を終わろうとしているときに
家族が延命を望む時がある
医療者からすれば
どう考えてもこれ以上の治療をする必要はないと思っても
家族は人の死に直面すると
一秒でもいいから長く生きさせてくれ
息をしているだけでもいいから
ってなるんだよね
だけど
それは一言でいえば
家族のエゴでしかない
もしくは経済的な理由で生きていてほしいか
本人はもう何も分からないし
ただでさえつらいのに
CVだマーゲンチューブだ
胃ろうだ
って入れられて
栄養だけつないで
なんとなれば人工呼吸器までつないで
モニター管理して
命だけをつながれている
なんの意味もないよ
医療費の無駄遣い
自分の家族が死に直面している
そういう時ほど
感情ではなく
科学的にモノを考えなくちゃいけないんだよ
医者から説明を受けて
死にゆく人の顔を見てごらん
科学的に考えても
この人を延命することに意味はない
って思えるはずだから
20年以上医者をやって来て
100人以上の人を看取ってきたけど
自然に訪れる死を
他人に延ばされることほどつらいことはない
今晩この人は亡くなりそうです
っていう状況で
自然にレートが伸びて行って
呼吸が浅くなって行って
朝方に心停止する
家族は家で連絡を受けて
早朝の病院でお別れして
家に連れて帰る
みなさんありがとうございました
お力になれずにすみません
でもおばあちゃんも頑張りましたよね
これから色々大変でしょうけどお気を落とさずに
医療者はお辞儀をして病院から離れていく車を見送る
こういうのが
理想的な人の死だと思うけどね
死なない人はいない
自分や家族の死に方についてはよく話し合って
事前に決めておく方が良いよ