俺が病院を継いだころ

 

なんとか病院のウリを作らないといけないと思い

 

外科医の俺が出来るのはオペしかないと考えた。

 

うちの病院はオヤジが思いつきで作った40年前から、一切オペなんてやってこなかった

 

そもそもオペ室なんてあるの?

 

それがあったんだよね

 

すっかり物置になってたんだけど

 

古株のナースに案内されてオペ室の電気をつけてみると

 

なんとも昭和なオペ室が姿を現した

 

壁は緑のタイル

 

無影灯もみたことないくらい古い

 

壁際にはガラスケースに陳列された

 

おそらく昭和時代に買ったであろうノミやトンカチがピカピカのまま陳列されてる

 

なんか昔の映画でこういう病院出てきたよな~

 

的な感じね

 

極めつけはオペ台

 

大学で使っていたような、褥瘡が出来ないふかふかのオペ台じゃなくて

 

なんか人の形してるカチカチの固いオペ台がおいてある

 

なんじゃこれ~!!

 

これはしばらく前まで婦人科健診の時に使ってた台なんです

 

と婆さんナース

 

な、なるほどねぇ~

 

でも

 

見渡してみると

 

そうはいっても

 

オペ台もあれば無影灯もある

 

手洗いも出来る

 

滅菌機械も小さいながらもある

 

スペースも狭いけどオペが出来ないほどじゃない

 

そもそも古いけど使ってないから傷んでない

 

これイケんじゃね?

 

って思ったのは

 

俺が若かったからなんだろうね~

 

今なら絶対やってないわ