おれも
救命センターで
長くはないけど
都合2年くらい働いていたことがある
最初は研修医のころ
そして医者10年目くらいのころにもう一回
救命センターでは
何科の医者かにはかかわらず
3次救急っていって
死にそうな患者が搬送されてきたときには
全員で対応するっていうルールがあった
まぁ
今考えてみれば
その時期を経験してるから
急変した患者とか
事故にあった人とかをみると
とっさに体が動くんだろうけどね
もちろん
救命センターには
自殺
自傷の人も運ばれてくる
その中でも
一番助からないのは
首吊りだね
首吊りってのは
首が締まって苦しくなって死ぬんじゃない
頸動脈が急激に圧迫されることによって
ショック状態になって死ぬ
しかも
物音を立てないので
発見までに時間がかかる
だから
搬送されてきても
ほとんど救命できることは難しかったね
一方で
リストカットなどの
自分を刺したり切ったりする行動で
亡くなった人はほとんど見たことがない
いわゆる失血死するまでには
時間がかかるし
発見されやすいんだろうね
他殺は別だけどね
いずれにしても
医者を長くやっている経験からあらためて思うのは
世の中
死ぬほどのことは
なにもない
ってこと
昨日も当直で深夜に亡くなった方がいたけど
人間は
死んだ瞬間に
単なる物体になってしまう
生きてるからこそ
つらいことも
たのしいことも
おいしいことも
きもちいいことも
感じることができる
死んだらおしまいだよ