んなこんなで
田舎にある小さなド赤字病院を継がなくちゃいけなくなったわけだけど
最初に度肝を抜かれたのは
患者がいない
ってことなんだよね
それまでは都内の大学病院医局にいた俺は
外来でカルテが積まれている
朝行けば、待合室が満員になってる
なんてのは当たり前だと思っていたし
山ほど来る患者を前にため息ついてたくらいだったんだよね
それが
実家の病院に帰ってみたら
全然患者がいない
じょうだんじゃなく
一日9:00-17:00まで外来にいて
最初の外来なんて1人も来なかったのよ
あれはびびったわ~
まぁ
0より下がることはないっていう覚悟はできたけどね
外来がそんな有様なら入院だってガラガラだわな
なんとか地域連携で患者を近くの中核病院からまわしてもらっていたみたいだけど
そんな病院に送る患者なんて
治療なんて何もできないようなガチガチの脳梗塞とか
もう死ぬ間際の人ばっかり
看護師だって、リハビリだってモチベーション上がらないよね
実際にうちのような単価が低い病院だと
ベッドの稼働率っていうのは95%くらいないと損益分岐点を割り込んでしまう
その当時は常に80%台
そりゃ赤字垂れ流しだわな
そこからよ
患者をいかに呼ぶか?ってことを考え出したのは