母の散歩に行ったんですけど
今回はあまり散歩を喜ばなかった。
「まぁ山が赤(あこ)うなっとる」
「紅葉や」
「いやらしわ」
は?
紅葉がいやらしい?
緑のほうが美しいってことか?
まぁ確かに鮮やかに美しい紅葉ではないが。。
「もうええ。いのう」
散歩し始めたばかりなのに帰ろうと言う。
無視して歩き続けていると
「あんた、行ったら帰らないかんので」
そのうち
「こんなんなんぼ見たってついや」
確かに毎回同じ景色ではあるけど。。
とにかくマイナス発言ばかりが続く。
それでも私はいつものルートを歩くつもり。
すると
「あんた一人で行って。私はここにおる」
ようやく私もどうやらお尻が痛いらしいと気づく。
たくさん食べているようでも
痩せている母。
舗装の悪いガタガタ道だとモロ振動が伝わって
お尻が痛くなるらしい。
仕方がないのでUターン。
お尻が痛いから短い散歩にしたいなら
そう言ってくれればいいのに
「山ばっかり見てもしょうがない」とか
責任転嫁した発言になるのは何故だろう?
唯一素直に感心していたのがこの花。
「まぁ綺麗な花。なんの花やろか?」
「リコリス言うらしい。曼殊沙華の仲間や」
「綺麗やな~」
これが唯一のプラス発言。
外に出られて気分転換になるとか
青い空やひんやりした風が気持ちいいとか
その手の事を言ってくれれば
散歩のしがいがあるんだけどな~
ケアマネさんには
「外に出たら気分が違う。外の景色も見たいし」
私との散歩を喜んでいるらしいけど
私には反対のことを言うんですよ。
ネギ畑を見ても
「こんななったネギは出荷できん」
否定的に見るのは
ある年齢以上の日本人の特性なんでしょうか。
身内褒めをしないのと並んで
少々さびしい特性ですね~
そんなわけで不完全燃焼な散歩だったのでした。



