生きたいという切実な願いは

 

時として

 

間違った方向に進むことがある。

 

間違えるのは

 

切実すぎて必死になるからだと思う。

 

先だって『首都圏情報ネタドリ』を見たんです。

 

香川では見られないかと思ったけど

 

NHKプラスでやっていました。

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トンデモ医療に大金をつぎこんで

 

詐欺まがいの治療で亡くなった患者さんの特集。

 

数人が紹介されたんですが

 

彼らは必死だったから、だまされたんです。

 

身につまされました。

 

私自身も医療不信が根強かったし

 

近藤誠さんの「がん放置説」が最善と信じて

 

CTなんて被爆がひどくて最悪だとか

 

抗がん剤は命を縮めるとか信じこんで

 

治療も受けずに放置していたから

 

トンデモ医療に走る人が他人事と思えなかった。

 

そもそもが

 

がんになったら

 

いろんな人がいろんなことを勧めてくれます。

 

私もそうでした。

 

友人知人が

 

「なんとか療法」の類を教えてくれるんです。

 

ステージ4の人が元気になったのよとか言われ

 

「あなたに元気になって欲しいの」と言われ

 

皆さん善意だから断るのに苦労しました。

 

関係が悪くなるのは嫌だから

 

勧められたサプリもいくつか飲みました。

 

飲み忘れるから続かなかったけど(笑)

 

友人知人に勧められるだけじゃない。

 

自分でも検索しますよね。

 

そして本当に正しい情報でなく

 

間違った「欲しい情報」を入手することになる。

 

がんの場合

 

保険が効いて安価な「標準治療」より

 

高額な自由診療の方が効果がある気がして

 

詐欺まがいの医療が魅力的に見えてしまう。

 

間違った方向に進んでしまうのは

 

主治医との関係も影響している。

 

主治医を心から信頼できて

 

安心してゆだねることができたら

 

患者の心は揺らがないけど

 

残念ながら信頼できる主治医は少ない。

 

がん患者さんと接点の少ない私でさえ

 

主治医への不満をあちらこちらで耳にした。

 

患者を人間と思っていないオレ様医者は多い。

 

そんな医者が主治医だったら

 

私だって自分でなんとかしようと焦ったはず。

 

しかも検索すると

 

耳障りのよい言葉が並んでいる。

 

抗がん剤の副作用に苦しんでいる時に

 

副作用が少ないとか

 

ステージ4のための免疫療法なんて言われたら

 

気持ちは動くと思います。

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そんなインチキ医療を厚労省は放置している。

 

医者の自由裁量が法律で認められているから

 

手を出せないんだそうです。

 

でも現実にだまされた人がたくさんいる。

 

『ネタドリ』でも1500万つぎこんだケースが紹介されていました。

 

これからもトンデモ医療に大枚をはたき

 

いのちを落とすケースは後を絶たないはず。

 

国民の健康を守るための厚労省が

 

傍観しているのが

 

どうにも不思議でたまりません。