ひた走るわが道暗ししんしんと堪(こら)へかねたるわが道くらし
これ↑斉藤茂吉の『赤光』にある短歌です
かつてパリで初めてこの歌を目にしたとき
茂吉自身の人生を詠んだものと思い
ものすご~く共感しました
私自身のパリでの生活が
将来に光も見えず
子育てに忙殺されるばかりで・・・・・暗い時期が長かったのです
実際の歌の背景は
伊藤左千夫の死を知らされた茂吉さんが
電話もない時代だから
島木赤彦に知らせようと走ったときの光景だそうです
街灯もない田舎道の暗さと
大切な先生の死を知らされた衝撃と・・・・・
切迫した感情が「暗い」というイメージに集約されたのかもしれませんが
私としては・・・・・背景を知った後でも・・・・
どう読み返しても
茂吉自身の人生を詠ったように思えてなりません
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