老人に興味をもったのは
落馬による骨折で搬送された病院で
ボケたお婆さんと同室になったのがきっかけでした
80歳くらいだったと思いますが
言葉も出なくなってるし
食べることもできなくて
口につっこまれれば食べるけど・・・という状態
この人、
おしめ交換が大嫌いなのです
一言もしゃべれないのに
おしめを換えようとすると
ノン、ノン、ノーーン
と叫ぶんです
そんな年になっても
恥ずかしいんだろうか・・・・
それとも
動物的な本能が
裸にされることに恐怖を感じるんだろうか
見ていてとても・・・不思議でした
表情は閉じていて
一日中じっとして
ぼんやりしてるだけなんですが
フランクというめちゃくちゃ美形の看護士がいて
フランクがくるとず~っと目でおうんです
しかも
フランクにだけにっこりする
ボケてても美形を好きなのかなぁ・・・・
やっぱりフランス人だなぁ・・・・・
と思っていたんですが
フランクは来るたびに
「きれいな目だねえ」
とほめるんです
部屋にくるたびに何回も言うんです
お世辞だと思いました
前頭部がハゲかかったおばあさんに
よく言うよな~
さすがフランス男だなあ~~と思ってたんです
私自身が動けるようになってから
近づいてよく見たんですが
うすいパープルのほんとにきれいな目でした
おばあさんは
フランクがハンサムだからではなくて
ほめられることに反応してたんだと思います
何もわからなくなっていても褒められてるのは理解できる
年寄りって面白いなあ・・・と衝撃をうけ
もっと知りたくなって
普通の生活に復帰できた翌日から
老人ホームでのボランティアをはじめました
