祖母の最後の数ヶ月
お風呂にいれるのは私の係り
祖母は毎晩
足の裏まで洗ってもらって・・と喜んで
おんなじセリフを繰返すんですが
問題はシャンプー
なにしろ
明治生まれの人ですから
元気なときでもシャンプーなんて年に1回くらいなものΣ(゚д゚;)
「すき櫛」という目のつんだ櫛で毎日せっせと
地肌の汚れを落とすだけですませるんです
だもんで
私が頭を洗おうとしてお湯をかけただけで
耳に水がはいるう~
子供みたいな大げさな悲鳴
手で私を押しのけ、金切り声で叫び・・・
ギャーギャーわめきたて
怒鳴り
母がとんできて
私たちを引き分けるのが毎回で
どうしても頭を洗うことができませんでした
そんな祖母が亡くなって
葬儀屋さんが湯船を用意して
皆が見守るなか
若いお嬢さんが二人
祖母を最後のお風呂に入れ始めたので
私が名乗り出て
喪服の袖をたくしあげ
祖母の体を洗いました
最後のころは体を拭くだけで
1週間くらいお風呂にはいってなかったから
私までさっぱりしたような気分でした
もちろん頭も
ばっちり二回シャンプーしました
洗いながら
ようやく髪を洗えた満足感で
にんまりしそうになって
真面目な顔にもどろうとするんだけれど
なんだか嬉しくて
どうしても笑いがこみあげてしまって
後から母に
あんなときにニヤニヤして・・・
とたしなめられてしまいました
