皆さんこんにちは、珠下なぎです。
今日も来て下さって、ありがとうございます!
初めての方は初めまして。心療内科医でゆるく作家活動をしております、珠下なぎと申します。
現在、第60回講談社児童文学新人賞及び第26回児童文学ファンタジー大賞の最終候補となった、「遠の朝廷(みかど)にオニが舞う」をAmazonkindle版で発売中です。
こちらは脇殿の礎石。ノートはB6サイズの私の創作用ノート。比較してみるとその大きさがわかるでしょう。
また、周囲は濠をめぐらせてあり、ここが要塞都市でもあったことを今更ながらに思い出させてくれます。
「遠の朝廷にオニが舞う」の最初の場面で鈴丸が舞う場面は、色々な方から「とても鮮やかで印象に残った」というご感想を頂いております。
近くにお出かけの際は、ぜひお立ち寄りくださいませ!
さて、後半はチェリまほキャラの魅力の続き。
今回からは湊くんについて。
ドラマ版でと漫画版でかなり印象の違う湊くん。
どちらも、「バイトしながらダンサーになる夢を追う若者」であることは共通しているのですが、ドラマ版と漫画版で大きく違うのは、ドラマ版ではゲイというセクシュアリティが明らかにされており、漫画版ではそれが明らかにされていないことでしょうか。
過去記事「チェリまほの性的指向(白村江の戦いとは何だったのか1~電子書籍にまつわるエッセイその㊺と、チェリまほの性的指向 | 心療内科医が現代日本の病理を斬る!~心のケアのあり方から震災後の日本社会について考える~ (ameblo.jp)」で書きましたが、湊くんはドラマの中で唯一、マイノリティである性的指向が明らかにされている人物です。
ドラマは性的指向が明らかにされていない人物(安達・柘植)、性的指向が変化しうる人物(黒沢)、アセクシャルの女性(藤崎さん)を描くことによって、様々な恋愛の形を、恋愛しないことも含めて容認する、現代らしい優しいドラマになっていると、この記事では書きました。
その一方で、湊くんのようにマイノリティである人物を一人、はっきりと描き出すことで、社会派ドラマとしてのメッセージを打ち出してドラマ全体を引き締めていると思うのです。
つまり、「いわゆるLGBTQであれ、マジョリティとLGBTQのどちらに属するかあいまいな人であれ、マジョリティであれ、様々な恋愛の形があり、誰もが自分の性的指向に従って幸せになるべきである」ということ。
湊くんと真逆ですが、ドラマのオリジナルキャラ・浦部さんの存在もそのために作られたんじゃないかという解釈も成り立つんじゃないでしょうか。
浦部さんは安達の先輩で(意外と)愛妻家。つまり、マジョリティ側の人間です。
(そもそも安達くんが一人で残業を引き受けて、黒沢さんの家に泊まることになったきっかけって、浦部さんが結婚記念日なのに残業を押し付けられそうになって、泣きそうになってるのを優しい安達くんが引き受けてあげたせいでした。漫画版では単に課長の横暴でしたが)
つまり、マイノリティ側の人物だけに焦点を当ててマジョリティを逆に否定する形にならないように、「マジョリティであり自分の恋愛(浦部さんはもう結婚していますが)を大切にして幸せになっている人物」をあえて描いたのではないでしょうか。
湊くんの話からいつの間にか浦部さんの話になってしまいました。脱線すみません。
この湊くんは、ドラマ版でも漫画版でも、チャラそうな見た目に反して、深い孤独を抱えた人物だと、私は思っています。
けれどその孤独の描き方が、セクシュアリティのことも含めて、ドラマ版と漫画版では大きく違っていると思うのです。
しかもその湊くんの孤独、私には他人事に思えなかったりします(笑)。
次回は湊くんの孤独について語りたいと思います。
最後まで読んで下さって、ありがとうございました!