マイケル・ジャクソン氏が

鎮痛剤を使用していたと報道していて

何の鎮痛剤だろうと疑問に思っていましたが

今日のニュースで「ディプリバン」という鎮痛剤を

使用していたと聞いて、かなり驚きました。

というのは

当院でも「ディプリバン」という静脈麻酔を使っていますが

劇薬の部類に入り、ボルタレンとかロキソニンなどの内服とは

全くレベルが違います。

ディプリバンはどういうものかというと、基本的には静脈内に注射をするもので
(もしかしたら、ディプリバン錠というものが存在するかもしれませんが・・・)

痛みをとるものではなく、寝てしまうもの(睡眠導入剤)です。

つまり

鎮痛剤ではなく、鎮静剤にあたります。
(寝てしまいますが、痛みは取れません。)

静脈内に数ccディプリバンをいれるだけで、寝てしまいます。

仮に数十ccいれた場合は、呼吸が浅くなるか、

もしくは、呼吸が止まってしまいます。

自宅には、医者がいたみたいですが

全身麻酔の機器がなく、ディプリバンを注入しているのであれば

かなり危険な行為です。
(もしかしたら、自宅に全身麻酔の機器もあるかもしれませんが・・・)

また、「ディプリバン」は全身麻酔の前投与としても

使われます。

たとえば

全身麻酔で手術をするときに、麻酔科医が「いまから眠たくなります」と

言われたら、それは大抵「ディプリバン」だと思います。
(麻酔科医によっては、違うパターンもあるかもしれません)

ディプリバンで患者さんを寝かせ

その後、マスキュラックスという筋弛緩剤を注射して、人工的に呼吸を止めて

気管内挿をして、酸素、笑気、セボフルレンを

人工呼吸器を使って、肺に送り込みます・・・・

マイケル・ジャクソン氏は

劇薬の「ディプリバン」を使う必要性があったのでしょうか?

謎ですね。