Personal Universe。

人間一人一人が宇宙を所有している。そんな人間のことをハイデガーは「現存在」と呼んだ。

現存在の宇宙は重なり合い影響をし合う。だからどんな人と付き合うのかは実はとても大切である。

不平不満、怒り、嫉妬、怨みで埋め尽くされている宇宙と相互交流していれば、自ずと影響を受けていく。毒ガスが部屋に充満していくかの如く、知らず知らずに気分すら悪くなる。逆に澄み渡った爽やかな宇宙との相互交流はこちらの気分すらも一気に爽やかになる。

西郷隆盛がそう言う人物だったという。どんなに鬱々とした気持ちであったとしても、彼に会えば皆春風で洗われたような爽やかな気持ちになった。きっと彼の宇宙が春風のような軽やかさで満ち満ちていたのだろう。

ではこのような宇宙の違いはどこで生じるのか?

それは宇宙がcloseされているのか、はたまたopenされているのかの違いである。closeされた宇宙ならば、エントロピーの法則に従って複雑さと煩雑さが積み重なっていく。ドロドロとした感情や鬱積した思考の蓄積が層となりエントロピーを増加させていく。では逆にopenされた宇宙ならばどうだろう。openされた宇宙はエントロピーがzero化に向かう。なぜならopenとは無限(心)との交流、完全循環を意味するからである。

ということは、自分の考え感情は自分だけの問題ではないことが分かる。公の問題であり、公害にもなりうる。人は社会的な存在であり、他者と関わり合う存在なのだから。

closeされた宇宙は脳機能の範疇であり、openされた宇宙は心機能の範疇(悟り)である。つまり「知る」世界と「知らない」世界とも言える。。。実は誰もが悟らなければならない理由はここにある。思考感情は感染症のようなものだからである。

そして、、、「世界の中にありながら世界に属さない」そんな境地になった時、どんな宇宙と重なってもいっこうに影響は受けることのない不動心を得る。いつでもどこでも常に一筋の光であれるのだ。