自分はどのような死に方をするのだろう?

病棟でナースたちとよく話し合う。

私たち医療者、特に緩和ケアに携わっている医療者は
常に「死」が身近にある。

ゆえに自ずと
「生」と「死」をセットで考えるようになります。

「自分は後どれくらい生きられるのでしょうか?」

そんな質問をよく投げかけられます。

私はいつもこう答えます。

「それは分かりません。
でも、こう考えていて欲しいと思っています。

今この瞬間を・・・
それが難しいのなら1週間後に急変が起こるなら
今何するか?と自分に問いかけてください。」

自分のやってきた治療に対して後悔して過ごすのか
自分がしてきた決断を柔らかい心で受け止めて過ごすのか

自分の運命から目を逸らして過ごすのか
自分の運命を丸ごと抱きしめていくのか

どんな選択も自分で決められる。

ならば、
今を取りこぼさないで過して欲しいと思っています。

過去は脳の記憶に過ぎず
未来は予測にすぎず

本当にあるのは

ultra speedの今この瞬間
この一点だけが真のreality

コンロの上の一粒の雪・・・

この瞬間に、
宇宙137億年のすべて
人類500万年のすべてがある

そうしたとき、
今ここがどれだけの奇跡なのか・・・

私たち人類は
「今ここ」を悟り知り、

自分がどこからきてどこへ向かうのかを悟り知る。

それは
五感覚をゆうに越える人間の認識の変革によって。

抽象的な世界を感じるのではなく、
なにかを信じ込む世界でもなく、

人間の知性の納得.理解で1mmの疑う余地がなくなった時、
私たちは五感覚に縛られた世界を自ら越えていく。

そんな全く新しい時代の到来の足音が
私の耳にははっきりと響いています。