前回のコロナ禍応援活力アップ記事!? の感想をパリ在住40年以上の友人Chieko Parisさんが送ってきました。ご本人の許しを得て以下に掲載します。

 どんなにパリを語ろうと、私の「いま、ここ」は日本です。

――みなさま、パリからのシズル感をどうぞ味わってください。


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麻奈先生、

 

 パリは朝晩冷え込む季節になって来ました。フランスは、パリ及びその隣接3県では外を歩く時もマスク着用か義務となり、マスクに慣れていないフランス人は大変そうです。

 さて、先生のインタビュ記事ですが、本当に明確に分かりやすく分析されていて、さすが先生
!と思いました。フランスを離れられて4年だそうですが(もうそんなに経つんですね!)、「フラン
スとの違い」 「フランスと日本、軸の違い」等 正に全て仰る通り~~!と 拝読しました。フランスでは 日本の「kawaii」 と言う言葉は mignon(ne) ミニヨン(ミニヨンヌ)に当たるのかと思いますが、これは小さい年齢の子供達にしか使わない言葉だと思います(人間に対して使う場合は)。「kawaii 」と言う文化は恐らく日本独特のものかもしれませんね。


 フランスと日本における女性の年齢の捉え方は、全く違いますよね。先生もインタビューの中で書かれてますように、日本では「年甲斐もなく」と言う言葉が良く聞かれますよね。日本では「この歳になったら、こんな派手なものは着れない。。」とか「歳をとったら髪の毛はショートにしないと。。」とか。フランスでは、存在しない考え方だと思います。フランス女性は自分が似合う物を年齢に関係なく着ればよいと思ってますし、髪型もその人に合った髪型にすればよいのであって、日本のような年齢の捉え方で自分の在り方を決めないと思います。

 

 日本では全て基本と言うものが決められており、人々は皆それを守る事が正しいと教育されてきたせいでしょうか。

 こういう時はこうする、こうなった時はこのように対応する、とマニュアル化された基準があり、それをしっかり守り実行できる人が優等生とされるからで、年相応、なんて言葉もその辺りから生まれてきたのでしょうね。

 改革や個人プレーを好まない体質なのでしょう。

 

 日本は島国で海に守られていたのでその中で日本独特の文化が生まれ、それを全員で守る事で全体の統一が計られてきたのでしょうが、ヨーロッパでは色々な国があり、その国境さえも変わる中で、自分と言うアイデンティティを守りつつ、他からも良い物は良い物として積極的に取り入れ、自身の変革を行い続け成長してきたので(人も国も)、全ての人が 右向け右には従わず、個人の性格、意見が重んじられる世相があるかと思います。
年齢に対する感覚や、美に対しても、それぞれの良さがあり、それぞれの良さが求めらる所以かと存じます。

フランスはそういう考え、感覚で、自由を求める
代表的な国の一つかと思われます。

 

 私の周りのフランス人の友人達は皆、自分の年齢をしっかり捉え受け入れた上で、自分が一番綺麗に見える方法(内面と外面)を常に探しているように思えます。

 

 年齢を重ねる事でシワはもちろん出来、皆、シワ対策もしていますが、それ以上に皆、内面の美しさを追求する努力はしていると思います。それは何かと言うと、今 社会で何が起きているかに精通していたり、そういう事で議論になった時に自分の考えをはっきりと言えるように常日頃考えているとか、沢山旅行をして見聞を広げて、世界は広く、多種多様な考えがあるのだと理解し受け入れ、そして読書も怠らず、常に学ぶ姿勢を持ち、教養を高める事に努力を惜しみません。

 

 フランスは、マクロン大統領夫妻はちょっと例外だとしても(夫人の方が24歳上の歳の差婚)、女性をワインのように、熟成している方が(あまり熟成し過ぎでもちょっとですが。。。)、女性は素晴らしいと、見る目は世間に多く、そういう見方は、更に女性を綺麗にしてくれるのではないかと思います。

 

 先生にも以前お話したかと思いますが、私自身、日本にいる間「あなたは色が黒くて、色白美人には程遠い~~!」と言われて育ってきたので、フランスに来て「色が黒いのは、あなたの個性!」と言われて、私の中の何かがほどけた感じがしました。

 そういう捉え方がとても心地よくフランスに長くいる理由の一つだと思います。

 

 人としての美しさは、色白だからとか目鼻立ちがはっきりして綺麗だとかの外見の美しさではなく、その人と一緒にいて、楽しいとか有意義な時間を過ごせる事や尊敬の念を抱ける事が基準となるように思われます。

 

 日本女性にもこれからは自分の考えをしっかり持って、外面だけに囚われず内面を磨くことに努力して、輝いて頂きたいものですね。

 

 またご連絡頂ければ嬉しいです。

 

取り急ぎ

Chieko Paris

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 Chieko Parisさん。

 ご丁寧なご感想、誠にありがとうございます!

 台風や大風の古語に野分というのがあります。いまの季節、風雲風雨の心ざわつくころです。


  道艶にして山に入る野分後


 という句を見つけました。「みちえんにしてやまにいるのわきあと」

 これからの人生、お互いにおもしろく過ごしましょう。


彩月

mana