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過日、神戸で開催された再生医療学会は最先端情報てんこ盛りであると共に“本音と建前の聖典?”のようで、大変に興味深かったです。
会場は神戸国際会議場と神戸国際展示場。神戸空港からたった10分あまりの立地というのを初めて知りました。
個人的に印象深かったのは、ペットと遺伝病についてのセッション。あまり気にもしていなかったので余計に新鮮でした。けれど現在小学6年生の子供よりもペットの数が多いのですよね。
例えばネコは10歳を超えると3分の1が腎臓病(のちに腎不全)になるんだそうです。そしてイヌは品種ごとに遺伝病の傾向があるのが特徴です。そもそもゲノムの詳細がよくわからなかった時代から、人間様の都合に合わせて交配(品種改良)させてきた長い歴史があるので当然といえば当然ですね。
チワワは生まれつきの水頭症と言ってもよく、柴犬は痴呆症や緑内障、秋田犬はフォークトー小柳ー原田病*、プードルは白内障、キャバリアは心疾患、レトリバーは腫瘍etc
中には人と似たような遺伝子変異で起こるものも多くあり、ペットは今後の遺伝子治療においても人間のよきパートナーになるかもしれません。実験用巨大ラットよりイヌの方がまだ人間に近いですもの。
iPS細胞の山中伸弥先生のご講演。一番大きい会場が満員となりました。
間違いなく未来を担う再生医療。けれども光が強ければ闇も深い。不安要素、不確定要因も多いのも事実。今後はエビデンスをきっちり出していき、テクニックはスーパーカー並みだけれど価格は大衆車、を目指していかなくては。また個人情報の巨大データバンクができるわけですから、倫理的側面の整備も早急になされなくてはいけません。誠に考えさせられることの多い学会でした。
*フォークトー小柳ー原田病
:両眼に網膜剥離が生じて見えにくくなる疾患。同時に髄膜炎、難聴が生じ、しばらく経過した後に皮膚の白斑、白髪、脱毛などが生じる全身の病気である。昔話の浦島太郎はこの病気だったのかも?と言われる。