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 カンボジアといえば、アンコールワットとその周囲の遺跡群が何と言っても有名であるが、ひっそりと濃い霧に見え隠れしながら佇む、ボーコー国立公園内の廃墟群も、特に私のような廃墟マニアには垂涎もの。欧米、ベトナム、韓国あたりでじわじわと人気上昇中であるらしい。

 

 1920年代、フランス植民地時代のカンボジアにおいて、標高1080mの涼しいボーコー一帯は“避暑地”として目をつけられた。教会、ホテルにカジノ、レジデンスの一大リゾートを夢見たのだ。ところが建設途中、40年初頭のインドシナ戦争勃発で放棄された。その後1962年に"Cité du Bokor"として、開発再開されるも、1972年にクメールルージュにこの一帯が占拠されたことで再度中断。そのまま最後の砦となり激しい攻防戦が繰り広げられた。

 歴史に翻弄され、そのままゴーストタウン化したのがこの『ボーコーヒルステーション』である。

 

 首都プノンペンから車で4、5時間、美しいカンポットの街から約一時間の山の頂上にある。

 
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 カソリックの教会。今でも使われているようだ。


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 ボーコーヒルステーションで一番有名な“パレスホテル”跡。残念ながら現在内部は立ち入り禁止である。


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 マッシュルーム型の傘には、砲弾の跡がたくさん。


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 近くに散策可能の廃墟がいくつか。

 
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 崖の近くの廃墟。すでに草と土砂に柔らかに侵食され美しく朽ちている。