東洋経済WEB連載を開始しました。

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五月中旬の三社様(浅草神社の祭礼)が終わると、東京の町には夏がやってきます。夏は若者の汗がはじけ、神輿の重さを肩に筋肉の悲鳴と我慢は、めくるめき祭りの陶酔をもたらすのです。

江戸の粋な勇み肌の男の子は“いなせ”。いなせは鯔と書きますが、鯔は「ボラ」で成長につれて呼び名が変わる出世魚です。どう変わるか? 関東ではオボコ → イナッコ → スバシリ → イナ → ボラ → トド、関西ではハク → オボコ → スバシリ → イナ → ボラ → トドが一般的です。


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オボコは「おぼこ娘」を未通娘とも書くように“世間ずれしていない子ども”の意味、トドは「とどのつまり」で“つまり、結局、行き着いた果て”ですね。

 

イナはボラという大人になる前の若造で、イナセは鯔背。江戸日本橋河岸にあった魚市場の若者に流行った鯔背銀杏(いなせいちょう)という髪の髷(まげ)形からの言葉です。イナの背みたい格好と、剃った月代(さかやき)が青々とイナの肌色みたいだったからとか。

 

粋な勇み肌の女の子はなんと言うのでしょう? “伝法肌”という言い方もありますが、“女が勇み肌をまねること”の意味もありますから、“おきゃん”!?がいいかなと思います。御侠と書き“活発な女の子”のこと。元気があってよろしいが、いなせに対抗する格好はどんなものだったのでしょう。

  
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「江戸っ子はさつきの鯉の吹き流し」とも言います。「口先ばかりではらわたはなし」とか。“口はうるさいけど人は悪くないのだ”とか、“中身はないけど人はいいんだ”というのでしょう。

若いときはよくっても、いつまでも鯉の吹き流しのままでは問題です。格好だけでなく、中身のある「いなせ」や「おきゃん」!?でいい歳を送りたいと思いませんか?


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