この度、フランス農業界の日本代表マエストロこと山下農園の山下朝史さん が三冊目のご著書を上梓なさいました。素晴らしい。おめでとうございます!

Félicitations !\(^o^)/


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 先日、セーブルバビロンのエルメス (日本産フランス育ちの農業文化と一大メゾンのマリアージュ!?)でサイン会がございましたので、馳せ参じました。

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スーツ姿で決めていらっしゃる著者の山下朝史さんと奥様の尚美さま




右はお写真担当のアレクサンドル・ベツォールトさま


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このエルメスのアーティステックな亜空間は、パリにいらしたら一度訪れる価値がございますわ

 

 山下さんの農業は独学だそうです。経歴も多彩でいらして、パリ学生時代ではボクシングチャンピオン、盆栽造りのレンタル業、ゴルフのインストラクターetc… 一見無関係に思える、人生の経験の数々が、いまここの“農道”に結晶したのだとご自身で認識なさっていらっしゃいます。ある時盆栽が大量に盗まれてしまい、失意の中で廃業も考えていたところ、契約先の料理長から“日本野菜を栽培できないか”との提案があり、それが今日の山下農園のきっかけとなったそうです。人間万事塞翁が馬。

 

 さて、このエレガントで自然への畏敬の念と慈愛に溢れた書籍(日仏対訳)は、珠玉の言葉で溢れております。日本人総センシュアル化運動発起人!?として、中でも目を惹いたのは“土”に関する項目でした。

 

「私が農業を志したときに最初にした事は、何があっても、今日から目の前にある土を愛し続けようと決めた事です。誰かを愛する時には、その相手を理解しようと考えます。(中略)その為には、まず真っ正面から向き合うことから始めなければなりません。(中略)

 

 愛するということは、相手を変える試みではなく、自分が変わろうとする努力です」

 

“愛する決意”と“互いを理解する努力”。これぞまさしく生涯恋愛の鉄則。山下さんは男女間の機微にも長けていらっしゃるに違いありませんわ。(*^。^*)

 

 山下農園の畑は、さぞや豊潤と思いきや、ご想像と裏腹に悪条件のオンパレードなんだそうです。だからこそ、力強く断言なさっております。


作物の幸福を考えると土の豊かさは絶対ではない」


そのまま“人生論”ですネ。


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 愛情を全身に受けて“幸福”に育った野菜たちと、山下さんの真摯なお仕事姿、そしてしなやかな感性の実践哲学が散見できる、センシュアルな一冊です。超オススメ!

フランスでの発売は3月31日からだそうです。