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ジョン・コリア(ラファエル前派)

 

もうすぐ、バレンタインデー。今回は日本で定番のチョコレートにまつわるセンシュアルなお話を。

 

ベルギーの高級チョコレートGODIVAの名前の由来は人口に膾炙されていますが、ブランドの栞には、美しい貴婦人の勇気を讃えたものとして、次のように記しています。

 

ゴディバの名は、11世紀の英国の伯爵夫人である美しいレディ・ゴディバに由来します。シンボルマークである、馬に跨った裸婦こそが、重税を課そうとする夫を戒め、自らを犠牲とした誇り高い彼女の姿です。領民への課税の免除と引き換えに、彼女の夫の言うとおり、一糸纏わぬ姿のまま馬で町を駆け廻り、領民を救ったのです。

 

ゴディバの創始者ジョセフ・ドラップスと妻のガブリエルは、レディ・ゴディバの勇気と深い愛に感銘し、1926年ベルギーに誕生した自らのブランドに「ゴディバ」の名を冠しました。

コベントリーの領主レオフリック伯爵と美貌の妻レディ・ゴディバ。信心深かった伯爵は宗教的情熱に駆られて次々に活動を拡大し、それに伴って領民に過酷な重税を課していきます。見るに見かねた妻は、夫に再三税の引き下げを訴えるのですが、夫は聞く耳をもちません。それでも執拗に嘆願を繰り返すと、憤慨した夫は「よぉし、そこまで言うのなら、お前が全裸となって馬に跨り、コベントリーの町中を走り回ったのなら、その願いを聞き容れようぞ」と言い放ったのです。


翌朝、妻は夫の言うがまま、一糸纏わぬ姿で馬に跨り町を駆け廻りました。領民たちはその勇気ある行動に敬意を表して、彼女の姿を見ないように窓を閉ざし、伯爵は自らの非を認め税は引き下げられたといわれます。

 

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レディ・ゴディバが白馬に跨っている図はなんともセンシュアルです。彼女は「国を傾ける」どころか、国が壊れることを防ぎ、建て治したのではありませんか?

美人の代名詞は、むしろ「治世」(知性!)となってもいいくらいですわ!