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先日、某健康雑誌を読んでおりましたら、某美容のプロの立場の方のスキンケア法で、こんなような記事を発見しました。

『薄化粧なら、洗顔料でTゾーンを中心に洗うだけで充分です。ダブル洗顔は必要ありません。またきめ細かい泡は洗浄力が強すぎて、必要な皮脂まで取り除いてしまうので、泡立て洗顔はお勧めしません』

薄化粧といっても、昨今の美容意識の高い女性はそれなりのUVカット下地を使用していると思います。それに、どのレベルをキメの細かい泡と称するのかはっきりしないのですが、泡立ちと洗浄力というのは、一概に相関しません。

この泡洗顔問題は、泡洗顔絶頂期だった4年ほど前のブログ(過去ログが涙の消失!)で取り上げたことがあるのですが、御存知ない方も多いかもしれないと思い、手持ちの過去記事で再度アップすることにします。

実際に昨年行った日本コスメティック協会の検定実施模擬試験でも、不正解率が高かった部分です。

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☆泡洗顔の意義について☆

もう少し、洗顔法の話題におつきあいください。
巷で話題の『泡洗顔法』についてモノ申す! ……です。

私の知人に、それこそ手をぼろぼろにしながら、日夜よりよい泡洗顔の方法を研究し、模索していらっしゃる方がいます。
その方は赤田刷毛工業株式会社代表掲載時であった城崎隆司様(現・城崎デザイン研究所代表 城崎隆司様)です。

何歩もつっこんだ情報が得られましたので、御本人の許可を頂戴して掲載させていただきます。



今まで美容家の間でよくいわれていることがあります。

1:『汚れは泡に吸着する』
2:『洗顔は冷水だけで十分』
3:『モチモチの泡が洗顔にいい』

この3つですが、実際に実験をすると、以下のことがはっきりしました。

1:汚れがすごいと1回目のシャンプーで泡立たないのと同じで、泡が脂汚れと接したとき、つぶれてしまいます。
2:冷水だけでは皮脂などの脂汚れは綺麗に除去できません。
3:モチモチの細かい泡でも、洗顔料が多く含まれる場合は保湿に必要な油分まで除去するので、長く使用すると乾燥肌の人はバサバサした肌になります。

3の「洗顔料が多くふくまれる場合」というのは、「肌に触れる泡の膜に含まれる洗顔料成分濃度が高いもの」をいいます。要するに洗顔料成分が濃い場合ですね。

手でつくる泡がこれにあたります。手で泡をつくると、一見モチっとして洗顔時も気持ち良いのですが……洗顔後のパサツキ感は一番です。

敏感肌の人にとってはここが最も怖いところで「モチモチの泡で顔を洗うのが良い」と誤解されている内容です。

これならまだ、ネットなどでつくった多少大きめでつぶれやすい泡でも「洗顔料の濃度が低い泡」の方が低刺激と言えます。

きめが細かく低刺激という点では、ブラシでつくる泡が優れております。

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<同条件下でつくった泡の量と拡大図の比較>

※水・洗顔料が一定の場合、ネットやブラシで沢山の細かな泡にすると、泡が持つ表面積がぐっと増えます。沢山の泡になっても水と洗顔料の重量は一定ですから、何が変わるとか言いますと、泡の膜の厚みが変わるのです。

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※上記図の左は泡が大きい場合で、泡の中に洗顔料成分がはいっている点は右も同じです。この図を見て理解していただけると思いますが、同じ石鹸水の状態でも、泡の厚みが変わることによって泡に含まれる洗顔成分量に違いが出るのです。
手で立てた泡はネットやブラシで作った物に比べ、体積が増えません。つまり泡は小さくても厚みのある泡となります。

そして『メイクは泡洗顔で落ちる』についての答えが以下です。

結論からいいますと、メイクを落とす場合には泡洗顔だけでは充分でないと考えます。

今までの実験では、2~3回泡で洗顔すればある程度のメイクも落ちますが、メイクや日焼け止めクリームなど油分の多い物には、やはりクレンジングで一旦落し、その後、泡で残りの汚れを落とすのが有効でした。

「実験結果の明細」をお話すると、メイクを泡洗顔で落とそうとした場合、初回の洗顔では泡がすぐに消えてしまいます。一旦、顔を水洗いし再度泡で洗顔し始めると、若干の泡が残ります。それを繰り返すと(3回目ほどで)泡が残るようになります。

顔に付着したメイクなどの油分は、クレンジングなどの油分によって浮かされるようです。
ふき取った後にも顔には油分がまだ残ります。それを泡で洗顔すると皮膚の毛穴などが開放され、はじめて美容液などの浸透しやすい環境ができあがるようです。



根拠ある理論をベースにより理想的な使い方をすることで、“低刺激で肌に優しい”という泡洗顔の恩恵を存分に感受できるようにしたいですね。