Pavillon de la cérémonie du cadeau

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ギャラリーが軒を重ねる、サンジェルマンデプレの一角。品の良い、なにやら敷居の高そうな門構えが目に入ります。それもそのはず、ここはウィークディは会員様のみ、土曜だけ一般開放になるフランス初、いや(日本にも類を見ないとのことで)世界初! の“折形”のお店なのです。

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喧騒の街を背に、扉の向こうは別世界。この世界観の打ち出し方は凄いです。左には手水舎。ここから茶道の時のように、身を屈めて中に入ります。中ではお茶がサーブされます。

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檜の香りが素晴らしい内部スペース。お社のようでもあります。当然かもしれません。なにしろ伊勢の宮大工に3ヶ月間住み込み込んでもらって完成させたという凝りようなのです。樹齢300年以上という檜は、もちろん日本から。

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古来からの神道の贈答作法と、700年前に武家の礼法として伝わった小笠原流礼法が一緒になったものが『折形』なのだそう。“ラッピング”と十把一絡に訳すのがはばかられる、奥ゆかしき日本の伝統文化なのです。

左は蝶結び。誕生日など、何度もあってほしい吉事に。右はボトルなどを包むためのもの。片手で解けるように結われています。

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あわび(あわじ)結び。これは一度きりの慶事に。志摩の海岸では、昔からアワビがよく摂れるそうで、伊勢神宮に献上していたそうです。そのアワビを型どったということで、この名があるのだとか。こちらは結納のときなどに使う、紐9本のフォーマルなスタイルです。

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水引の白は陽、赤は陰を表し、それらを“結ぶ”ということは、陰陽説、男女の和合から生命の源などの象徴でもあり、“産霊(むすび)”とも記すそうです。和紙は基本、白色のみ。俗世の穢れを禊ぐのは白だけ。そんなお話をうかがっただけでも、言霊力がアップした気持ちです。

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──あのぉ……こちらは、兜ですか?
「いいえ。違います。これも折形の一種で、1枚の紙で折っています」

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フランスのフィガロ、ルモンドなどでも大々的に取り上げられ、メディアでも大注目。包んで欲しい御贈答品でフランス人は何が多いのか気になったのですが、やはりボトルだそうです。

着物がとてもよくお似合いのMIWAの若旦那さん、佐藤武司さまとお店のスタッフさん。どうもありがとうございました!

お手軽、バーチャル、コンビニエンスが重宝される昨今ですが、いいえ、だからこそ、日本の礼節と真心を具象化した伝統文化を世界中に伝承なさっていってください。

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