$岩本麻奈 オフィシャルブログ 『はだぢから開発室・分室』 Powered by Ameba-DrKogappa

ある時、三男坊──通称こがっぱ──を荷物持ちに任命して買い物にいきました。ふと思い立ったように彼が“ビネガー”と“ライム”を手にして「これとこれ、買ってもいい?」というので、特製ドレッシングでも作るのかしら? と思いながら「いいわよ」と答えたのでした。

次の日の朝、冷蔵庫を開けると、透明の液体にライムの薄切りが浮いた見慣れないカップが目に飛び込んできました。サランラップをずらしてみると、ツーンとしたお酢の匂いが漂います。

こがっぱの仕業に違いない。
(。-_-。)

「ねぇねぇ。あの冷蔵庫に入ってるビネガー&ライムは、いったい何に使うの?」

何度訊いても、彼はニヤニヤするだけで答えてくれません。どうも飲み物とかではなさそうです。

それから10日くらいして、突然「ここ、とれたー!」と、自分の左肘の先を見せにきました。

こっこれは、これは……間違いなく“イボ”の痕跡。皮膚科学的には“尋常性疣贅”という部類で、クリニックでは液体窒素で凍結させたり、ヨクイニン(ハトムギ)を内服してもらったりします。他にも種々の民間療法があり、興味深いのは自然治癒があり、時に暗示療法などでも治ってしまうことです。──さて、こがっぱ。

「ライムとビネガーでとれた!」

やたらと誇らしげです。

それで思い出しました。

ちょうど私の日本への出張中に運悪く風邪にかかってしまったこがっぱ。私の長期不在時には何かと気にかけてくださる友人が、それを知って様子を見に行ってくださり、東京にいた私に報告メイルをくださったのでした。

「麻奈さん、私が行ったときには治ってたわ。『お茶を飲んで、寝て治した』って誇らしげだったわよ」

念のために置いてある常備薬には目もくれず、日本のお茶──正確には自分が京都で買ってきた甘めの抹茶──をひたすら何杯も飲んで、ただただ寝るという自然療法(?)を2日間繰り返して、喉の痛みもとれてすっかり治ってしまったのだとか。

確かに“お茶”の抗酸化力は身体にいいし、量を飲むことでデトックスにもなるし、寝て治すのは常套手段。よって大正解ではあるのです。

ライムとお酢の特製イボコロリといい、お茶療法といい、さすが老人好きの少年だけあって、ニッポン的おばあちゃん療法は大得意なのですね。