フランスにおける大学入学資格を得るための統一国家試験である“バカロレア(通称BAC)”が、とうとう今年もはじまりました。まずはフランス人のお茶の間の話題にものぼるという、“哲学”から幕開けです。
出題がなんとも興味深いので毎年チェックしていたのですが、次男が今年受けたので、リアルに身近。。。(・◇・)
三者択一で論述形式。“4時間”一本勝負です。意訳してみました。
★ 理系
1:文化は人間を変化させるか?
2:人は事実に反して正当でいられるのか?
3:パスカルの『パンセ』の抜粋を読んで解説せよ。
★ 経済社会系
1:『自由』は『平等』によって脅かされるか?
2:『芸術』と『科学』はどちらがより必要であるか?
3:セネカの『善行について』の抜粋を読んで解説せよ。
★ 文系
1:人は科学的な仮説を証明することはできるのか?
2:人間は自分自身に妄想せざるをえないものか?
3:ニーチェの『悦ばしき知識』の抜粋を読んで解説せよ。
これらの問いには、つい直感的にYES or NOで答えたくなるものですが、息子によれば模範解答の書き方──筋道だった考え方──というのがあるらしいのです。
それは、まずその命題に対してYESと仮定してその理由を述べる。NOと仮定してその理由を述べる(それぞれに過去の哲学者の引用などあるとよい)。最終的に自分はYESと考えるかNOと考えるか、またはその“どちらでもない”と考えるか、理由を述べて結論に導く。
“どちらでもない”(同じ土俵にあがった比較対象ではない)が答えになることもあるとは……ふむ……どうも一種の禅問答のようであります。
というわけで皆様♪
夏至も近い短い短い夏の夜、哲学の夕べはいかがでしょうか?
(@'o'@)