MADEFOR COSMETICS(メイファーコスメティックス)(http://www.madefor.co.jp/
 )プレゼンツ、「世界の皮膚科学研究早わかりブログ」掲載させて頂きます、Dr.MADEFOR(ドクターメイファー)です
 前回、皮膚についての概要をお話させて頂きました
これから以後しばらくは、シリーズで皮膚の各部位の特徴や注目すべき機能などに関しましてコメントさせて頂ければと考えております
 それ以後も、色素細胞や化粧品の科学、美的心理学などに様々なトピックスをご紹介していきたいと思っていますので、ちょっと専門的になってもお許し頂ければ
 …非常にうれしいです
…非常にうれしいです

『本日のトピックス』
~表皮とは何か
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 表皮とは、皮膚を構成する部分の一番外界に近いところにある部分です
 その厚みは、約0.15~0.25mm程度で、構成細胞の90%以上が角化細胞(ケラチノサイトkeratinocyte)という細胞です
 この表皮細胞は、表皮の最下層で分裂し、成熟と共に上方へ移動していきます (ここで言う上方とは外界に近づくということです)。
(ここで言う上方とは外界に近づくということです)。
 このような特徴から、表皮細胞は成熟段階により、4つの異なる細胞が存在する層(基底層、有棘層、顆粒層、角質層)として分類されています(主に形態にて分類されています また、このような細胞の成熟は、専門用語では、分化=differentiationといいます
また、このような細胞の成熟は、専門用語では、分化=differentiationといいます )
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 一番の下方の基底層から一番上方の角質層まで達し、皮膚から剥がれ落ちるまでの段階までを、表皮では、特に『ターンオーバーturn over』といいます
 (この用語は有名かもしれませんね
(この用語は有名かもしれませんね )
)
 このターンオーバーは、年齢、性別、部位、体調によりかなりの差がありますが、概ね30~45日程度であると考えられています
 では、以下にそれぞれの部分の特徴を簡単にご紹介致します


 基底層(basal cell layer)
基底層(basal cell layer)
表皮細胞のもっとも若い細胞(最近の言い方だと、幹細胞ってやつです )を含む一層の細胞層。周辺の細胞と、デスモソーム(desmosome)やギャップジャンクション(gap junction)などで結合している。また、基底膜とは、ヘミデスモソーム(hemidesmosome)で結合している(*要はとなりの細胞や基底膜といっぱい結合しているってことです
)を含む一層の細胞層。周辺の細胞と、デスモソーム(desmosome)やギャップジャンクション(gap junction)などで結合している。また、基底膜とは、ヘミデスモソーム(hemidesmosome)で結合している(*要はとなりの細胞や基底膜といっぱい結合しているってことです

 )。細胞内には多量のケラチンフィラメント(サイトスケルトン→細胞の骨のようなものの一種です
)。細胞内には多量のケラチンフィラメント(サイトスケルトン→細胞の骨のようなものの一種です

 )を含有し、特に核周辺への分布密度が非常に高い。特異的な発現タンパクとしてkeratin14を発現する。
)を含有し、特に核周辺への分布密度が非常に高い。特異的な発現タンパクとしてkeratin14を発現する。
 *要するに、若くて、元気な細胞の層。表皮の大元となっている細胞がいる場所ってことです
*要するに、若くて、元気な細胞の層。表皮の大元となっている細胞がいる場所ってことです


 有棘層(prickele cell layer)
有棘層(prickele cell layer)
5~10層からなる細胞層。隣の細胞と棘のような構造で結合しているためこのような名称になった。下方では、比較的多角形の形だが、上方に移動するにつれ、扁平な形状に変化する。周囲の細胞との結合は、デスモソームによる結合である。
 *要するに、隣の細胞同士がしっかり棘でくっついていて、細胞の形がだんだん変化していく層ってことですね
*要するに、隣の細胞同士がしっかり棘でくっついていて、細胞の形がだんだん変化していく層ってことですね

 )
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 顆粒層(granular cell layer)
顆粒層(granular cell layer)
2~3層からなる扁平な細胞の層。ケラトヒアリン顆粒(keratohyalin granule)という特殊な顆粒(この顆粒のなかには、プロフィラグリンという肌の水分の維持に関連した特殊なタンパク質が含まれています

 )、オドランド小体(odland body)という特殊な構造体(この構造体のなかには、肌の潤いに関係したセラミドという脂質成分が含まれています
)、オドランド小体(odland body)という特殊な構造体(この構造体のなかには、肌の潤いに関係したセラミドという脂質成分が含まれています

 )をもつなどの特徴が見られる。
)をもつなどの特徴が見られる。
 *要するに、保水成分や潤い関連成分などをつくりはじめる重要な細胞層ってことです
*要するに、保水成分や潤い関連成分などをつくりはじめる重要な細胞層ってことです


 角質層(horny cell layer)
角質層(horny cell layer)
角層とも言われ、約10~200層(部位によってだいぶ違います
 )からなる細胞層。あらかじめプログラムされたプログラム細胞死(専門的にはアポトーシスといいます
)からなる細胞層。あらかじめプログラムされたプログラム細胞死(専門的にはアポトーシスといいます )により、死んだ細胞により構成されている。細胞の形態は極めて扁平で、細胞膜内部には、周辺にそって、周辺帯(cornified cell envelope)という構造が形成されている。化学的刺激、物理的刺激、熱などにも非常に強い
)により、死んだ細胞により構成されている。細胞の形態は極めて扁平で、細胞膜内部には、周辺にそって、周辺帯(cornified cell envelope)という構造が形成されている。化学的刺激、物理的刺激、熱などにも非常に強い
 *要するに、生体を外界から守る最強の最終砦であるってことです
*要するに、生体を外界から守る最強の最終砦であるってことです


以上が表皮を構成する細胞の簡単なご紹介です ちょっとご紹介しただけでも、こんなに多様な特徴が
ちょっとご紹介しただけでも、こんなに多様な特徴が

 ・・・・皮膚ってホント奥がふかいですね
・・・・皮膚ってホント奥がふかいですね
『本日の豆知識』
 皆様、何かテープのようなものを顔にはって、肌質の検査をしたことありませんか
 (専門的には、テープストリッピングと言います
(専門的には、テープストリッピングと言います

 )これは、テープを使って、角質層の細胞を採取し、それに特殊な色をつけることで、ターンオーバーの速度や、表皮細胞のコンディションを診断しているんですね
)これは、テープを使って、角質層の細胞を採取し、それに特殊な色をつけることで、ターンオーバーの速度や、表皮細胞のコンディションを診断しているんですね
 この診断は、角質の状態を示す指標にはなりますが、この結果で、「老化している」とか、「肌が荒れていて危険な状態である」といったことを正確に予測することは、かなりの専門家でも難しいと思います
 ですので、このようなことで落ち込まれている方、慌てないで、参考程度だと思ってくださいね ゆとりをもって、負担にならないように日々のスキンケアに取り組んでくださいね
ゆとりをもって、負担にならないように日々のスキンケアに取り組んでくださいね





