新型コロナウイルス感染症のニュースが毎日のように流れ、
見えないウイルスと戦う日々が続いています。
4月10日にEarly release*としてEID ジャーナルにオンラインで発表された報告では、実は「靴」がウイルスを運んでいる可能性があることが示唆されました。
この発表では新型コロナ感染症の患者さんを扱う、
ICUや病棟の空気、床や靴、コンピューターのマウスなど病院の環境の様々なところから検体を採取しました。
その結果、ウイルスは患者さんから4m離れた空気からも検出されたほか、下の図の患者さんが入らない部屋の床
(例えば、薬剤室(Pharmacy)やロッカールーム(Dressing room4)など)からも検出されたことが明らかになりました。
つまり飛沫は床に落ちて、
その飛沫が靴底についたまま、
ほかの場所へ運ばれていく、ということ。
家に帰ったら、手洗い、うがいなどの前に、
まず靴を脱ぐ、
裸足でサンダルなどを履いていたら足を拭く、
靴底を消毒する、などすると良いかもしれません。
ところで靴を脱ぐ習慣は
我が国、日本をはじめお隣韓国や
東アジアでは比較的多く見られますが、
欧米のフランスやイギリスなどでは靴を脱ぐことは「失礼なこと」「恥ずかしいこと」と感じる人も多いようです。
フランスで一人暮らしで人付き合いも全くないご老人が
コロナウイルスに感染して亡くなったというケースを
先日耳にしました。この靴のことと関係あるかもしれません。
確かに、日本や東アジアの国の感染拡大のスピードは
はるかに欧米より緩やかです。
もしかしたら、土足厳禁が標準の大の清潔好きな
日本人の生活習慣は、今回良い影響をもたらしている可能性がありますよね。
自宅では、靴や玄関の床を清潔に、
病院や店舗では床の消毒作業が感染防止には大切。
私は毎回愛犬の足も洗っています。
今は、一般の方もプロも、
出来る限りの感染予防対策を
まずはしっかりと、ということですね。
みんなで頑張って乗り切りましょう
ご参考になると嬉しいです。
元文献はこちらから
https://wwwnc.cdc.gov/eid/article/26/7/20-0885_article
* Early releaseとは、多くの方の健康や医学的な利益を優先して通常の段階を全て終わらせずに発表された報告で最終バージョンではない報告のことです。今後多少この報告の数字や考察が変わる可能性があります。