昨日のブログで、
質問があったのでもう少し詳しくお話しします。
スリップストリームというのは
動いているもの(特に高速)の後ろに生じる
空気抵抗や気圧の変化です。
空気抵抗は相対速度が二乗で加算されていきますので、
前を高速で走っているものは
とても強い空気抵抗を受けますが、
後ろでは気流の流れが変わって
空気抵抗の低いところが生じます。
そこは少し気圧も下がって周りの空気を引き込み乱気流を作ることもあります。(難しいですか?)
例えばスピードスケートのチームパシュートでは
3人の中の一番前の人が一番空気抵抗が強いので辛いのですが、後ろの人は空気抵抗が少なくなるのでスピードを保ちやすくなります。
でもみんな動いているから息を合わせて同じように動かないと気流は乱れてうまく使えなくなります。
これをいかにうまく使ってスピードを出していくか、というのが、日本の選手はとても上手にできているというわけです。
自転車競技や、マラソンでも同じことが言えます。
自動車のレースでも同じですね。
遠くに置いていかれるとどんどんスピードが下がって後退してしまうのを見たことがある人も多いと思います。
昨日の記事は、このスリップストリームの風洞実験がお得意なオランダからのデータでした。
飛沫や呼気がスリップの中で動く。
「今はこのスリップストリームの外にいましょう。」
これが彼らのメッセージです。
ただ、実際の自然界では横風や追い風がありますので、
このスリップは大きくなったり
小さくなったり、斜めになったりします。
だから呼気や飛沫はもっと飛ばなくなるかもしれないし、
違う方向に流れるかもしれません。
この実験が全てではないということを頭に置いておいてください。
一番大切なことは、いろいろなシチュエーションで
そんなことを少し頭の片隅におきながら
怖がって運動をやめるというのではなく、
この季節に紫外線を浴びて健康に運動すること。
実は、ウイルスは紫外線がとても苦手。
安全に免疫力を高める工夫をしてもらえると嬉しいです。