私の育った家は、公務員の家庭で兄弟は3人。

両親は厳しくも優しく、幸せに育ててくれましたが、

お世辞にも裕福ではありませんでした。

 

小学校、中学校、高校、もちろんすべて公立に通いました。

 

受験戦争の時代です。

小学校6年生の時に「英語は早く覚えたほうがいい」というのを知って英語の塾に通いたいと親に頼みましたが、却下されました。

 

字が上手くなりたくて、

習字だけは習いたいと、懇願してこれだけは習いに行かせてもらいましたが、親はかなりしぶしぶでした。

 

学習塾にも高校生になって予備校の夏期講習を受けるまで通ったことはありませんでした。

 

自分の「身の丈」がわかっているから

学習塾に通いたいとか

習い事をしたいとか

親にそんな提案もできませんでした。

 

医師になりたくて医学部を目指していましたが、

もちろん国公立以外はNGです。

横浜に住んでたから、

入学金が住民割引で半額になる横浜市大を選びました。

 

私立の医学部を力試しに受けたいと親に言ったら、

「受験料5万円は払えないし、受かっても行かせられない」と言って

受験さえさせてもらえませんでした。

 

私はそんな家庭で育ちました。

 

でもそんな私でも、医師になれました。

 

もちろんたくさん勉強しました。

絶対に負けない、と言う気持ちで

毎日毎日10時間以上、

座りすぎてお尻がジンジンして

痛くなるくらい勉強しました。

 

でも、何よりも、

共通一次が一万円弱で受けられたから、

横浜市の税金で医学生を育ててくれたから

今の自分があります。

 

少なくともスタートラインが平等でした。

私に平等の機会を与えてくださった

日本の教育システムに今はとても感謝しています。

横浜市にも心から感謝しています。

今から35年前の昭和の時代の話です。

 

スタートラインが平等でなければ

今の私はありませんでした。

もし当時の私の家だったら、

英語の民間試験は英検以外は受けられませんでした。

 

 

消費税をあげるのは

教育費を無償化して医療や福祉を充実させるため

と聞いていたのに騙されたような気分です。

子供からも税金をとっているのに!

35年も立って日本は後退しているのでしょうか?

 

税金をいろいろなことに使わなくてはいけないのはわかります。でも教育は第1優先。

少なくとも子供の負担を増やし

夢を奪うような政策は受け入られません。

 

子供、教育は宝です。

これから育つ子供達、若者たちが

努力をすればどんな夢でも叶うと

夢を持って生きていける日本になってほしいです。

 

 

そして、私のこの生い立ちが

少しでも今の子供達に

夢を与えられますように。