小平 奈緒選手が史上初の日本人女子500mで金メダルを獲得されました。

本当におめでとうございます。

 

私の記憶が正しければ、

初めてのW杯から10シーズン目のように思います。

最初の海外遠征は、まだ大学生でコーチも同行できず、他の強豪実業団からの選手たちが練習する中、ひとり、後ろに組んだ手の中で刻んだタイムウォッチを見ながら孤独に練習していたのを覚えています。

それでも、休みの日にもスケートがしたいと言っていた奈緒。

憧れの岡崎選手の前に出ると、

色白の頬が少し赤く染まる、可愛らしい女の子だった奈緒。

 

良い結果がでないと、いちスタッフだった私にまで

「次回は先生に喜んでもらえるようなレースができるように頑張ります」

と丁寧なメールをくれました。

2012年を最後に私はスケートから外れましたが、

その後も、時々頑張っている様子を教えてくれました。

苦しい時に、

「いつかきっと人生に大輪の花を咲かせる。」

そんな話をしたのを覚えています。

 

彼女とのそんな素敵なエピソードは私だけに限らず、

きっと彼女の周りにいる人なら

誰もが持っているのではないか、と思います。

 

周りの人すべてにいつも感謝の心を忘れず、

一生懸命で、真摯、謙虚、勤勉、そんな言葉がすべて当てはまるような人間性は

20歳も年下ですが、いつも見習わなくてはと思わせてくれました。

 

オリンピックの最初の方のインタビューで

奈緒が「私なりの花を咲かせたい」

と言っていました。

 

そんな彼女が大きな大きな人生の花を咲かせたその瞬間。

種をまき、

根をはらせ、

大きな大きな樹となって

周りの人をすべて照らしてくれるような

大輪の花を咲かせた瞬間でした。

 

その時でさえも彼女は支えてくれた周囲への感謝の言葉を忘れませんでしたが、

(いや、きっとみんながあなたを支えたくなるんだよ。)

とテレビを見ながら 涙が止まりませんでした。

 

素晴らしい努力と人間力で勝ち得た金メダルに

心からの賞賛を送りたいと思います。

 

奈緒、おめでとう。

そしてありがとう。