今回は四分の一天引き預金について書きます。

 収入の四分の一を天引き預金する方法は昔から多くの方々が推奨していますが、中でも東京帝国大学の本多静六博士の『わが蓄財の秘訣』(実業之日本社)に登場する本多式四分の一貯金法は、最も実践的な方法を解説してくれており、ひときわよく知られています。なお、現在では本書は『私の財産告白』と改題されています。

 このブログでは、本多静六博士の四分の一天引き貯金法をオマージュしつつも、やや手法が異なります。

 まず、税引き後の通常収入の四分の一を、給与振り込み口座への入金当日に天引き定期預金するように設定します。たいてい昇給は年一回なので、こうすることにより一年間は月々同額が貯まっていくことになります。

 次に、特に本多静六博士の方法と異なるのは、臨時収入(例えば賞与など)は、その全額を余裕資金口座に入金してもらうように設定する点です。

 また、給与振り込み口座のうち、四分の一天引き預金を差し引いた残高の範囲内で、毎月月初に必要な金額を生活費専用口座に自動で振り替えるように設定します。

 就労期間の前半15年間、すなわち修行期は、なるべく給与振り込み口座の残高が増えるように頑張る時期とします。続く5年間、すなわち移行期は、強制的に四分の一天引き預金法を実行していきます。この15年間の修行期と5年間の移行期で、生活費の2年分を定期預金に貯めます。

 いよいよ、就労期間の後半20年間、すなわち収穫時に、安心して投資活動に打って出ます。

 なお、四分の一天引き預金は、2年分の生活費が貯まった後も続けるかどうかですが、思わぬ事態も起こり得るため、私は定年までずっと続けるのが好ましいと考えます。