当院で行っているクマ取りは正式には経結膜脱脂といい、「アッカンベー」をした状態を10分程度維持し下まぶたの裏側から脂肪のみを取る施術です。

 

所要時間

両目約20分程度。時間は熟練度に依存します。慣れていないと脂肪を見つけるまでに時間がかかりそこで時間ロスが発生し施術時間が長くなります。一般に施術時間が長くなればなるほど腫れ内出血は増えます。脂肪が出てきたら脂肪に絡まっている細い血管を焼きつつ脂肪を取りますが止血が甘いと内出血や腫れの原因となります。脂肪を見つける時間をできるだけ短くし(できれば30秒程度)、出てきてからの止血に時間を沢山に割くのがコツだと言えます。また全部取るのではなく繊細に適切に取ります。とりあえず取れるだけ取って窪みに大腿から取った脂肪を入れる操作は当院では行っておりません。

 

痛み

脂肪は大まかに三つに分かれておりふくらみの大きさによって何個取るか決めます。目頭寄りの脂肪は取る際には、麻酔をしていても2分程度痛みが出ます。当院では原則笑気麻酔と局所麻酔(注射による麻酔)で行います。静脈麻酔での施術は2022年12月をもって終了いたしました。極端な痛がりの方は施術をお控えください。歯科医院での歯の治療が非常に苦痛、無理という方はこの施術も無理な可能性があります。逆に普通に歯医者さんに行けるという方は問題ありません。


術後の腫れ

私の場合術直後に腫れや内出血が出ていることは稀です。但し術後帰宅して飲酒や運動をする、筋トレをする、サウナに入るなど血管が広がったり血圧や心拍数が上がることをすると後から腫れたり内出血することはあります。この場合引くまでに2週間程度かかることがありますが、内出血や腫れは(1)最終的には必ず治る(2)結果には影響しない(3)視力にも影響しない の三点が大切です。

 

術後の経過

直後~1週間は窪みが多少気になる場合もありますが眼窩脂肪の移動や硬い組織が作られることにより次第に気にならなくなります。この硬い組織+内部癒着の影響で再処置(再度脱脂すること)はしにくくなります。再脱脂は不可能ではありませんがとりあえず1個だけ脂肪を取って様子を見て後から必要なら追加で取ろうと最初から再脱脂ありきで施術を受けるのは全くおすすめしません。

 

適応

この施術は脂肪を取り、皮膚は残すので皮膚に余りが生じます。ちょうど急激に20キロくらいダイエットするとおなかやふとももにシワができるのと同じ現象です。既に目の下にシワがある場合シワが悪化する場合があります。おおむね50歳以上、目を細めていない自然な状態でシワが存在する場合単純な脂肪取りでは皮膚があまりシワが悪化することがあります。この場合まつ毛の下を切開する「目の下のたるみ取り」という施術をお勧めする場合があります。抜糸が必要ですが余った皮膚も一緒に取れるのでシワが軽減できるのがメリットとなります。

 

その他細かな注意点

(1)涙袋のヒアルロン酸が入っている

少量なら問題ありませんが沢山入っていると外反(アッカンベー)ができません。その場合ヒアルロン酸溶解酵素で溶かします。診察時に判定します。涙袋や目の下のヒアルロン酸は経験上5年以上前に入れたとおっしゃるものでも溶け切れず残っている事がしばしば経験されます。涙袋に入れたはずのヒアルロン酸が下に

 

(2)前医でクマ隠しのために目の下にヒアルロン酸を打っている。

これもケースバイケースです。本人が入れたのを忘れていて無申告だったヒアルロン酸が中をあけてみて初めて分かるケースもあります。やむなく術中に溶かす場合もあります。

 

(3)マツエクをしている

マツエクをしたままでも可能ですが数本抜けることがあります。わざわざ外していただく必要はありません。

 

(4)茶ぐま(色素新着)を消す効果はない

人間の皮膚はこすったりするとメラニン色素を出して黒ずみます。最近はある種類のまつ毛育毛液やまつ毛美容液などによる目回りの色素沈着が問題になっています。脂肪を取る施術ですので皮膚の色は変えられません。例えば日焼けして黒くなった部位の脂肪だけ取ると皮膚の色が変わるか、、、変わらないのは自明です。色素沈着は皮膚を刺激しない事、色素沈着に対するクリームを塗ることが大切です。

 

(5)脱脂後脂肪注入を他院で起こない修正したい

原則当院では対応できません。

・脂肪注入による凹凸、入れすぎに伴う線、盛り上がり➡ヒアルロン酸と違い、脂肪を溶かす注射がないので対応困難となります。

・脂肪注入したのに窪みが気になる➡元のクリニックで脂肪を追加で入れてもらうことが最善手と考えます。

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