当院で行っているクマ取りは正式には経結膜脱脂といい、「アッカンベー」をした状態を10分程度維持し下まぶたの裏側から脂肪のみを取る施術です。

 

所要時間

両目約20分程度。時間は熟練度に依存します。慣れていないと脂肪を見つけるまでに時間がかかりそこで時間ロスが発生し施術時間が長くなります。一般に施術時間が長くなればなるほど腫れ内出血は増えます。脂肪が出てきたら脂肪に絡まっている細い血管を焼きつつ脂肪を取りますが止血が甘いと内出血や腫れの原因となります。脂肪を見つける時間をできるだけ短くし(できれば30秒程度)、出てきてからの止血に時間を沢山に割くのがコツだと言えます。また全部取るのではなく繊細に適切に取ります。とりあえず取れるだけ取って窪みに大腿から取った脂肪を入れる操作は当院では行っておりません。

 

痛み

脂肪は大まかに三つに分かれておりふくらみの大きさによって何個取るか決めます。目頭寄りの脂肪は取る際に麻酔をしていても2分程度痛みが出ます。当院では原則笑気麻酔と局所麻酔(注射による麻酔)で行います。極端な痛がりの方は木曜日のみ静脈麻酔で行いますが(1)4分ほどのためにプラスで約5万円かかる、(2)眠ってしまっているので開眼によるチェックができない(3)術中の眼位(黒目の位置)の指示ができない ためあまりお勧めしていません。私の場合1500件に1件くらい、だいたいですが半年に一人くらい静脈麻酔で行います。静脈麻酔をかけるのは術者の私ではなく麻酔科専門医が行います。


術後の腫れ

私の場合術直後に腫れや内出血が出ていることは稀です。但し術後帰宅して飲酒や運動をする、筋トレをする、サウナに入るなど血管が広がったり血圧や心拍数が上がることをすると後から腫れたり内出血することはあります。この場合引くまでに2週間程度かかることがありますが、内出血や腫れは(1)最終的には必ず治る(2)結果には影響しない(3)視力にも影響しない の三点が大切です。

 

術後の経過

直後~1週間は窪みが多少気になる場合もありますが眼窩脂肪の移動や硬い組織が作られることにより次第に気にならなくなります。この硬い組織+内部癒着の影響で再処置(再度脱脂すること)はしにくくなります。再脱脂は不可能ではありませんがとりあえず1個だけ脂肪を取って様子を見て後から必要なら追加で取ろうと最初から再脱脂ありきで施術を受けるのは全くおすすめしません。

 

適応

この施術は脂肪を取り、皮膚は残すので皮膚に余りが生じます。ちょうど急激に20キロくらいダイエットするとおなかやふとももにシワができるのと同じ現象です。既に目の下にシワがある場合シワが悪化する場合があります。この場合まつ毛の下を切開する「目の下のたるみ取り」という施術をお勧めする場合があります。抜糸が必要ですが余った皮膚も一緒に取れるのでシワが軽減できるのがメリットとなります。

 

その他細かな注意点

(1)涙袋のヒアルロン酸が入っている

少量なら問題ありませんが沢山入っていると外反(アッカンベー)ができません。その場合ヒアルロン酸溶解酵素で溶かします。診察時に判定します。涙袋や目の下のヒアルロン酸は経験上5年以上前に入れたとおっしゃるものでも溶け切れず残っている事がしばしば経験されます。

 

(2)前医でクマ隠しのために目の下にヒアルロン酸を打っている。

これもケースバイケースです。本人が入れたのを忘れていて無申告だったヒアルロン酸が中をあけてみて初めて分かるケースもあります。やむなく溶かす場合もあります。

 

(3)マツエクをしている

マツエクをしたままでも可能ですが数本抜けることがあります。わざわざ外していただく必要はありません。

 

(4)色素新着を消す効果はない

人間の皮膚はこすったりするとメラニン色素を出して黒ずみます。最近はある種類のまつ毛育毛液やまつ毛美容液などによる目回りの色素沈着が問題になっています。脂肪を取る施術ですので皮膚の色は変えられません。例えば日焼けして黒くなった部位の脱脂をすると皮膚の色が変わるか、、、変わらないのは自明です。色素沈着は皮膚を刺激しない事、色素沈着に対するクリームを塗ることが大切です。

 

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