今日は、行政職員の危機管理対応能力の向上を目的とした、令和4年度東部・利根地域健康危機管理研修(埼玉県春日部保健所主催)にて講演いたしました。

 

講演テーマは、「行政のリスクコミュニケーション ~メディア公開の基盤となるステークホルダー間での適切な情報共有・連携のために~」。

 

コロナ禍の3年間弱を振り返り、充実した内容となりました(受講者の皆様が積極的にご発表くださり、嬉しかったです)。

 

春日部保健所ではリスクコミュニケーションに力を入れられており、昨年も研修をさせていただきました。

 

対応を振り返り、学びを得て、改善し続けることが不可欠な緊急事態下のリスクコミュニケーション。

 

継続的なキャパシティビルディングの重要性は、WHOのガイドラインでも中核的に行うこととして強調されており、その実践をされていて素晴らしいと思います。

 

本日発売の新刊書『公衆衛生の緊急事態にまちの医療者が知っておきたいリスクコミュニケーション』の内容も、いち早くご披露いたしました。

 

 

本研修は、

1.公衆衛生の緊急事態におけるリスクコミュニケーションとは
2.事前に構築しておくべきリスクコミュニケーション体制
3.初動メッセージの下案作成(演習)

の3部構成だったのですが、

 

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新刊書『公衆衛生の緊急事態にまちの医療者が知っておきたいリスクコミュニケーション』の1章、2章、3章、6章、7章の内容を引用しました(受講者の皆様は、上記の章をお読みいただくと、おさらいになり、より理解が深まると思います)。


主催者の春日部保健所の田中良明所長のマスメディア対応体験からの学びも、本書の11章でご紹介しています。

 

緊急事態下では、不確実性を伴い、対応について記者から厳しい質問や指摘がなされることも多いので、マスメディア対応を苦手とする保健所長や医系技官は少なくないと思われますが、それでも広く市民に情報を伝えるためにはマスメディアと協力関係を築くことは必須です。

 

コロナ禍でマスメディア対応を担われた田中所長の心境の変化を含め、記者にリスクへの理解を深めてもらい、リスクコミュニケーションを通して信頼構築までつなげていかれた体験談は、多くの保健所長の共感と学びの得られるものだと思います。

 

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この写真の左におられるのが田中所長。今年の日本公衆衛生学会のリスクコミュニケーションのシンポジウムでは、一緒に座長を務めさせていただきました。

 

本日の講演の引用文献は以下の2冊です。よろしければご購読くださいませ。

 

■本日発売の新刊書。300ページ弱の大作!

 

 

■尾身茂先生の推薦書!