新型コロナウイルス感染症の新規感染者数が激増している様子が、日々、報道されていますが、「この数字が、どの程度のリスクを意味するのか」の説明をはじめ、リスクコミュニケーションの量が、圧倒的に足りていないことが、今の問題です。
 
オミクロン株の特性も踏まえて、「いま、どれだけヤバイ」と、専門家は考えているのか?
そして、その根拠は?
そもそもオミクロン株の特性について、どこまでわかっているのか?
リスクを軽減するために、私たち一人ひとりは、どのような行動をとるべきか?
この事態を抑制するために、国や自治体などリスク管理者は何をしているのか?
そして、どのような見通しを立てているのか?
 
こういったことを、わかりやすく、透明性をもたせて、繰り返し伝えることが、クライシス・緊急事態リスクコミュニケーション担当者には求められているので、もしこれを読まれていたら、参考にしていただけると幸いです。
 
ところで、私の著書『クライシス・緊急事態リスクコミュニケーション: CERC』の読者で、感染症を専門とされている内科医のジレンマ様が素晴らしい感想を書いてくださっていたのを見つけました。
 
緊急事態対応をする立場の人か、そうでないかで、どこまで私の著書に共感いただけるかが変わると思うので、実際に、医療現場で働かれている方のご感想は、とても嬉しいです! 下に貼り付けますね。
 
 
 
 
医療現場で実際に活用されるお立場の方のご感想と考察は、とても嬉しく・・・、特に以下の部分は、非常に学び深く読ませていただきました。
 
-- 以下、引用 --
 

病院の医療安全や感染対策においてもリスクコミュニケーションの重要性は認識されつつあるところですが、やはり我々に足らない点は

「共感」「適切かつ早期の情報公開」そして「アセスメント」なのだろうと思いました。

正しいことを包み隠さずすべて話していても相手にそのまま届いているわけではない。それは単に自分の言葉が拙いからでもなく、相手の理解力が低いからでもなく、重要な点を汲み取れていなかったり、相手の反応を評価し軌道修正が必要なだけだったり。

 

病院でも医療事故や感染症アウトブレイク(昨今ではカルテの閲覧問題やレポート見落とし事例なども)で、市民やメディア向けにお話しすることがありますし、どの病院でもありえます。

本書は国・自治体レベルからいち病院に至るまで、上記のような場面においてどうすれば誤解を招かず(できれば関わった人のケアにつなげつつ)に情報伝達・公開できるのかを考えるための指針となるでしょう。

 

-- 引用おわり--

 

 

新型コロナウイルス感染症に関係するクライシス・緊急事態リスクコミュニケーション、2年以上が経っても、「必要なときに、必要な情報が十分に届いていない」ように感じています。
 
関係者には、ぜひご一読いただけると幸いです。