「 石橋を叩いても渡らない」という喩がある。

慎重に安全確認して行動するという意味の「石橋を叩いて渡る」が行き過ぎるとこうなる。

 

コロナ禍で、ワクチン開発の遅れが問題視されているが、これも日本人の過剰な「安全第一主義」の一例だろう。↓

 

"「何のための実証実験か」事故を乗り越え、自動運転で日本が世界をリードするには"
2022年03月02日、Newsweek

https://www.newsweekjapan.jp/kusuda/2022/03/post-24.php

 

<抜粋>

" 東京2020パラリンピックの選手村では、選手や大会関係者の移動用にトヨタ自動車のバスタイプの自動運転車両「e-Palette(イーパレット)」が導入された。その車両が交差点を右折した際、日本代表で視覚障害者の北薗新光選手に衝突し、大会を欠場させてしまう事故が発生したことは記憶に新しい。オペレーターとして乗っていたトヨタ社員は書類送検され、事故は一社員の過失のように報じられた。
 筆者は幾度となくバスタイプの自動運転車を取材してきたが、車両内外の安全を十分確認しながら、システムと人が役割を分担して運行しているため、1人が責任をすべて負うものではないと考える。事故で欠場したパラリンピアンはもちろん残念だったが、書類送検された社員もまた被害者だ。

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 この事故が起きてから自動運転サービス(レベル4)を検討することに対して、これまで以上に失敗を恐れるようになり、トーンダウンしてしまった。

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 ・・・担当者いわく他国とは条件が異なるという。
 「建物や人の少ない北米や自動運転の環境を作って走らせている中国と違って、高い建物が所狭しに立ち並び、歩行者や自転車が交錯する道路も多いなど非常に難しい環境下で実施している」

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 日本の自動運転サービスの実証実験の現場は失敗に不寛容だと揶揄されるように、絶対に失敗してはいけない、失敗するとメディアや世間から叩かれてしまう──という雰囲気になっている。
 人の命を預かる乗り物であるため、安全は何よりも優先されないといけない。しかし、ずっと会社の敷地内をぐるぐる回る走行テストをしていては、いつまでたっても実用化されることはない。
 自動運転サービス実現に長年尽力してきた国際自動車ジャーナリストの清水和夫氏は、今日の実証実験の実態に首をかしげる。
 「税金を使う実証実験は何のためにあるのだろうか。実証実験では、失敗してはいけないと社会もメーカーも思っている。どれだけ安全対策を講じても事故は必ず起きる。実証実験で事故が起きたときに思い切って状況や原因をオープンにし、そこから何を学んだかが大切だ」
 「何かあった時にどう改善していくか」を考え、実現していくのはかねてより日本のお家芸だ。国民も含めて知恵を出し合い、今の苦難を乗り越えて、この領域で世界をリードしていってほしい。"

<抜粋終わり>

 

実験に失敗はつきもので、失敗から学ぶために実験するとも言えるので、失敗が実証実験の推進にブレーキをかけるようでは、何のための実験か分からない。

 

確かに、人命にかかわる問題だから慎重になるのはわかるが、安全性は人間の運転との事故率の統計的な比較で検証されるのであり、メディアもそういう科学的な視点で報道してもらいたいものだ。