プーチンの「狂気」は、今に始まったことではない!
西側は、経済的な理由と軍事大国への恐れからプーチン氏の暴走に目をつぶり続けてきたが、「今回は違う」と木村氏は言う。↓
"プーチンの「取り巻き」が見せる反逆の兆候...「独裁者」の足元が崩れ始めた"
木村正人 欧州インサイドReport、Newsweek、2022/3/5
wsweekjapan.jp/kimura/2022/03/post-140.php
<抜粋>
" ロシア国内では情報統制が敷かれ、戒厳令発動の観測も飛び交い、国外に脱出する人が出始めた。
プーチン氏はロシアが滅びるぐらいなら、世界を先に滅ぼした方がいいという妄想に取り憑かれている。いや自分が失脚するぐらいなら祖国と世界を道連れにしてやると考えているのかもしれない。
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ロシアの工作員によってポロニウム210を混ぜたティーを飲まされ、内部被ばくしたリトビネンコ氏は嘔吐と激痛を訴えて病院に緊急入院した。
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旧ソ連時代の1978年、ブルガリア出身の作家兼ジャーナリストのゲオルギー・マルコフが足に毒物リシン入りペレットを打ち込まれ、暗殺された。
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市民社会の中で放射能兵器を使って英国籍を取得していたリトビネンコ氏を暗殺する命令を下した疑いが持たれるプーチン氏はこの時すでに一線を越えていた。核戦力を「特別警戒態勢」に移行させたプーチン氏が「核のボタン」を押すかどうか。(妻の)マリーナさんはこうみる。
「気の狂った人間だけが核兵器を使用することができる。もしプーチン氏が狂っているなら核のボタンを押せるだろう。しかしプーチン氏1人でそれができるわけではない。何人かがそのプロセスに関わるだろう」
「少なくとも2人、3人の人間が行動を起こす必要がある。プーチン氏の周りの人間が彼と同じほど狂っていないことを祈るのみだ。プーチン氏はそれをやりたがっているが、彼の周りにいる全員が喜んでやるとは思えない」とマリーナさんは筆者に語った。
ロシアマネーと原油・天然ガス欲しさに、西側はプーチン氏の暴走に目をつぶり続けてきた。プーチン氏批判の急先鋒だったロシア人ジャーナリスト、アンナ・ポリトコフスカヤさん殺害、リトビネンコ氏暗殺、2008年のグルジア(現ジョージア)紛争、14年のクリミア併合とウクライナ東部紛争、18年の市民が巻き添え死した元二重スパイ父娘暗殺未遂事件でも西側はプーチン氏を追い詰めるような制裁は控えてきた。
マリーナさんは「プーチン氏は以前からレッドライン(越えてはならない一線)を越えていたと思う。しかし西側はプーチン氏の攻撃を恐れていたため協力しようとしてきた。彼がどんなひどいことをしてもロシアとのビジネスは通常通り行われてきた」と批判する。
「プーチン氏は西側が弱く、団結してロシアに対抗できないと思い込んできた。彼は自分のしたいようにできると判断した。しかし今回は違う。そんな時代は終わったのだ。彼は大きな間違いを犯した」
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「この戦争はロシアにとって最悪のシナリオだ。間違いなくプーチン氏の終わりが始まった」というマリーナさんだが、ロシア国内は西洋化したリベラルな若者とプーチン氏支持層の二つに分かれているという。
「西洋化され、海外旅行したり、いろいろな映画を観たりすることが好きな若い世代はウクライナで起きたことを理解している。そしてモスクワや他の都市で反戦デモに参加して拘束されている」
「しかしロシアの大半は違う。お年寄りはプーチン氏に洗脳されている。情報統制下に置かれ、ウクライナで起きている真実は何も見ることができない。ロシア人の多くはウクライナがロシアと戦争をしたがっていると信じている。プーチン氏のプロパガンダを信じている」
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「今のような状態では国の発展はなく、未来もない。ウクライナ侵攻でモスクワや他の都市では生活がずっと悪くなっている。ロシアはすべての世界から完全に孤立していることが分かった」
プーチン氏は、ウクライナ侵攻に関する虚偽の情報を流したと判断すれば厳罰を下せるよう処罰を強化した。リベラルなメディアをオンラインから遮断し、ロシアが管理していないSNSへの国内からのアクセスを制限した。
「ロシア人は非常にクリエイティブで、どうすれば接続を復元し、見たいものを見られるようになるか、みんな工夫している。あんなに強くてパワフルで危険に見えたソ連が崩壊するとは誰も思わなかったが、アッという間に崩壊した」
「今のロシアはもっと強力で危険に見える。それはプーチン氏がそう見せることに成功しているからだ。しかし私たちはウクライナ情勢がプーチン氏の思うように進んでいないことを目の当たりにしている。普通の人々がプーチン政権をひっくり返すことは可能だと思う」とマリーナさんは話した。"
<抜粋終わり>
チェルノブイリ事故が起きたとき、「近いうちにソ連は崩壊するだろう」と、私は予測していた。
なんて偉そうなこと言っても、当時、宴席で知人に話しただけで、その唯一の証人は今どこにいるかもわからない。
自慢話はともかく、思想統制、報道管制の厳しい社会主義の国で、もちろん今のような情報ネットワークもない時代において、時を経て影響が現れてくる放射線被害を隠し通せるものではない。
そんな閉鎖的な社会に風穴を開けたのは、ゴルバチョフ氏のペレストロイカだ。
彼は、隠蔽体質を改め「グラスノスチ(ガラス張り)」政策を推し進めた。
プーチンはその歴史を熟知している。
"普通の人々がプーチン政権をひっくり返すことは可能だと思う"
というが、本当だろうか?
北朝鮮にしても、経済的にいくら追い詰められても、民衆による政権転覆も軍によるクーデターも起きそうにない。
父の金正日が死んでも独裁国家は揺るがなかった。
独裁者による恐怖政治の下での政権転覆は、そう簡単に起こせるものではない。
西側諸国が経済優先で、彼の横暴を黙認し続けてきたことの「付け」は大きい。